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2006.01.19

■最高裁判決H18.1.13 続報(吉田猫次郎氏コメント)

‥‥……━★

尊敬する,吉田猫次郎氏のメールマガジンより転載させて頂きました。

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  『借金地獄・倒産危機から、自力で脱出する方法』 by 吉田猫次郎
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       URL http://www.nekojiro.net/
【Vol.110】 2006年1月17日発行/不定期刊/発行部数4791部

『グレーゾーン金利、ついに死滅!? - 平成18年1月13日最高裁判決』

◆ 利息制限法で定める上限金利は、100万円以上の借金の場合、年15%です。
 (100万円未満10万円以上の場合は年18%)
 出資法で定める貸金業者の上限金利は、年29.2%です。

 ややこしいことに、我が国では利息の上限を定める法律が2つもあり、
この利息制限法と出資法の間の部分は、長年、可もなく不可もない、
罰則なしのグレーゾーンとされてきました。
 法解釈では、貸金業法43条で定めている非常に厳しい条件を全て満たした場合に
のみ、特例として、このグレーゾーンが認められるというものでした。
(=この43条を別名「みなし弁済規定」と呼びます。)

◆ にもかかわらず、現在もそうですが、消費者金融も商工ローンも、
はては大手クレジットカードのキャッシングに至るまで、実際に貸し付けている
利率は、25%とか28%とか29.2%とか、グレーゾーンで貸し付けている場合のほうが
多いのが現実です。J○BカードやAM○Xゴールドカードのような
イメージの良い優良企業でさえ、キャッシングではグレーゾーンで貸し付けて
いるのです。

◆ 彼等は「43条で定める厳しい条件」を全て満たしているから決してグレーでは
ない、正当だと主張します。しかし、いざ裁判で、そのグレーゾーン金利は無効か
否かを争えば、近年では多くの場合、「43条を満たしているとは言い難い」と
判示され、結果、グレーゾーン分は無効となり、今までに払い過ぎていた超過金利
は元金に充当される(=残っている借金と相殺して残元金を減額してくれる)、
または元金が残ってなければ過払い金として返してもらえるという解釈のほうが
主流を占めていました。

◆ それでもなお、現在でも彼等は、グレーゾーンで貸し付けています。
テレビCMや配布ティッシュや各社ホームページ等を見ればそれは一目瞭然です。
 理由は簡単です。利息制限法以上のグレーゾーンな金利を取ることに対しては、
罰則が全くないからです。罰則がなく、グレーとはいえ違法性があるとは言い難い
とすれば、利益追求を目的とする企業は、多少のクレームには目をつぶって、
グレーゾーン金利で積極的に貸し付けても不思議ではないでしょう。

◆ 彼等はどうやら割り切っているようです。
「顧客全体の中で、裁判所や弁護士を使ってグレーゾーン金利の引き直しを
主張する顧客はほんの数%しかいない。これはこれで個々に対応すればよい。
基本的な貸付金利は従来どおりのままでよい。」と・・・。
 まあ、法治国家の中にある営利企業なのだから、このように、
法の目を縫うようにして営利を追求するのもアリかもしれませんね。
我々もこのハングリーさ「だけは」見習わなければならないかもしれませんね。

・・・と、基礎知識を前置きしたうえで、本題に進みます。
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◆ 準大手の商工ローンで、「シティズ」という会社があります。
シティズはもともと熊本に本社を置いていましたが、何年か前に
アイフルの傘下入りし、京都に本社移転して現在に至っています。

 このシティズさん、債務整理に強い弁護士さんや司法書士さんの間では、
大変手強い相手として有名でした。
前述した「43条(みなし弁済規定)で定める厳しい条件」をほぼ完全に整え、
裁判でもよく勝ち、グレーゾーン金利を認めさせていたようです。
 武○士もア○ムも日本○販もセ○ンカードも○井も○栄も、キリのいいところで
和解もしくは実質的には負けを認めることが多い中で、シティズだけは、
なかなか負けを認めず、43条を主張するために完璧に証拠を完備し、理論武装
していました。
 利息制限法引き直しの争いにおいては、数ある消費者金融や商工ローンの中で、
最も手強い会社だったことは間違い有りません。

◆ そのシティズが、今年の1月13日に、最高裁で敗けました。
 訴訟そのものは、主に期限の利益喪失後の一括請求時における超過利息支払いの
任意性を争ったものですが(って書くとちょっと難しいかな?)、
その内容は、43条の存在意義および有効性の限界を示すことにつながっており、
この最高裁判決によって、43条をめぐる長年の論争がほぼ完全決着し、
43条みなし弁済規定という特例が、実質的に死文化したと言っても過言では
ありません。(←法律の専門家さん、これは私の言葉ですが、こういう解釈で
間違いないですか?間違っていたらご指摘下さい。)

最高裁判決文はこちら。
http://courtdomino2.courts.go.jp/judge.nsf/dc6df38c7aabdcb149256a6a00167303/2a8687cd5f626b38492570f500249c95?OpenDocument

◆ この件は新聞でも大きく取り上げられました。

・日本経済新聞「利息制限法の超過金利、支払いは原則無効・最高裁が初判断」
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060114AT1G1303213012006.html

・朝日新聞「法の上限超すが罰則ない灰色金利、最高裁が実質否定」
http://www.asahi.com/national/update/0113/TKY200601130355.html

・毎日新聞「みなし弁済訴訟:最高裁判決-天と地がひっくり返るほど-
弁護士ら評価」
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/archive/news/2006/01/14/20060114ddm012040082000c.html
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060114k0000m040097000c.html

◆ これは貸金業界を震撼させる大変なニュースです。
この判例により、貸金業者がいくら完璧に書類を完備して、
「強制的に高金利を定めたわけじゃない。顧客の同意の上だ。強制じゃなく任意だ!
だから有効だ!」と主張しても、法解釈的には、その金利は無効である
(=だから払い過ぎた金利は戻せ)ということが、ほぼ全ての契約で通用すること
になります。完全武装を誇っていたシティズですら最高裁で認められなかったの
ですから。

◆ ここまで来れたのは、長年にわたって多重債務者の救済に全力で取り組み、
理論を構築し、実績を積み上げてきた、全国のクレジット・サラ金問題に関心の高い
弁護士さんや司法書士さんのおかげです。特に、その最前線で活躍してこられた
クレサラ系の弁護士さんや司法書士さんは、「借りたものは返さなければならない」
という既成概念や一種の偏見や構造矛盾等と戦いながらの運動でしたでしょうから、
その苦労たるや、想像を絶するものだったと思います。

◆ しかし、多重債務の皆さん。喜ぶのはまだ早い!!
 今回の判決は、何もグレーゾーン金利での貸付を禁止し処罰しろというものでは
ありません。よって、現行法のままでは、貸金業者が今までどおり20数%の金利
を要求すること自体は止められないのです。
 (前述のとおり、貸金業者は「訴訟に至るケースは少数に過ぎない」と
割り切っているフシがありますから、たぶん契約金利は当分グレーゾーンのまま
ではないかと私は思います。)
 よって、裁判や債務整理を敬遠する人は、従来のまま、高い利息を取られ続ける
ことになるでしょう。
 あなたが積極的に動かなければ、事態は何も変わらないのです。
 自動的に利息制限法に引き直されるわけでもなければ、無条件に15%~20%
以下でキャッシングできるわけでもないのです。
 あなたの道を切り開くのはあなた自身です。
そのあたりを勘違いしないようにしましょう。
(後省略)

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★今日の一言

今回も猫次郎氏が分かりやすくコメントされていますので,メールマガジンの購読をお薦めします。

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コメント

勇気でgo! さん、こんにちは。 昨年の暮れにテレビで猫次郎さんが出演されているのを拝見致しました。 このメルマガの記事も解りやすく無駄のない文章がまた良いですね! go!さん情報ありがとう!! CFJさんとの第3回口頭弁論期日は2月23日となりました^^

投稿: N太 | 2006.01.20 09:17

N太さんも頑張っていますね。コメントありがとうございます。猫次郎氏の存在はとてもありがたいです。こちらも順調に進んでいます。今月と来月と裁判は続く~です(^^)

投稿: yuuki | 2006.01.20 20:43

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