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2006.08.03

■連帯保証人人口はどれくらい?(2500万人?)

‥‥……━★

尊敬する,吉田猫次郎氏のメルマガより連帯保証人問題についてありましたので,そのまま掲載させて頂きます↓(下記に勉強会・相談会の日程も合わせて記載されています)

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★メールマガジン

『借金地獄・倒産危機から、自力で脱出する方法』 by 吉田猫次郎

【Vol.116】 2006年7月28日発行/不定期刊/発行部数4846部
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<もくじ>
 ・我が国の連帯保証人人口はどれくらいいるの?
 ・勉強会、相談会のご案内(東京、名古屋)
 ・私の近況いろいろ
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◎◎ 我が国の連帯保証人人口はどれくらいいるの? ◎◎

不思議というか、嘆かわしいというか・・・。
いろいろ資料を漁ってみましたが、我が国に保証人や連帯保証人になった人が
どれほどいるかを集計した公的な資料は、一つも見つかりませんでした。
それだけ我々も、国も、保証人問題について関心を持っていなかったという
ことでしょうか。

2004年2月26日に民主党の中津川議員が提出した「 金融機関が連帯保証人に
対し債権取り立てを行う際生じる問題に関する質問主意書」の中でも、
小泉純一郎総理は
「金融機関と保証人との間において、連帯保証に係る係争が生じている事例
があることは承知しているが、計数等は把握していない。」
と答弁しています。
つまり、総理も把握していないのです。

そこで、大雑把ですが、自分なりに我が国の連帯保証人人口を調べてみることに
しました。


(1)賃貸住宅の連帯保証人

総務省統計局の資料によれば、我が国の総世帯数は約4700万世帯あります。
このうち、借家に住む世帯は約1700万世帯。

皆さんも一度は経験あるでしょうが、賃貸借契約を結ぶとき、まず必ずといって
いいほど、連帯保証人(ただの保証人ではない!)を取られます。
それも、同居家族はダメで、別世帯・別収入の連帯保証人を立てる必要があります。
その割合は、正確にはわかりませんが、最低でも全体の8割以上、いや、
もしかしたら9割以上は連帯保証人をつけているかもしれません。
連帯保証人なしで契約できるのは、UR都市機構(旧・都市公団)や、
大手不動産会社のワンルームマンションのような、ごく一部だけです。
仮に1700万世帯の8割が連帯保証人をつけていると仮定すると、その数は、
1360万人となります。
1360万人の連帯保証人です。

(2)住宅ローンの連帯保証人

全国4700万世帯のうち、持ち家に住むのは約2900万世帯。
その中で、住宅ローンを抱えている世帯は約1600万世帯ほどあるそうです。

住宅ローンの場合、連帯保証人をつけて借りているケースはそう多くないと
思われていますが、意外とそうでもありません。
住宅販売業者さんや銀行の融資担当者さん、果ては債務整理の専門家の先生にまで
訊いてみましたが、彼等の話を総合すると、どうやら、
バブル以前にローンを組んだ人や、大企業に勤務している人、頭金をたっぷり
貯めている人、勤続年数が長くて年収の高い人などは、比較的、連帯保証人なしで
ローンを組んでいる割合が高いようです。
が、バブル以後にローンを組んだ人や、中小企業に勤務している人、自営業、
頭金ほとんどなしで年収が少ないのに長期ローンを組もうとしている人などは、
かなりの割合で連帯保証人か連帯債務者をつけているようです。
(奥さんや実家のお父さんが連帯保証する場合が多い)
この傾向は、借入先が住宅金融公庫でも民間銀行でも、ほぼ共通しているようです。

近年は持ち家率が上がってきています。
特に、住宅ローンを抱えた持ち家世帯が増えています。
それだけ、「家賃を払うよりは、無理してでもマイホームを買いたい」
という人が多いのでしょうね。

住宅ローン返済世帯1600万のうち、もしかしたら半数前後は、
連帯保証人をつけているかもしれません。実感としては、そのくらいいるように
思えてなりません。
1600万の半数といえば、800万人です。

(3)企業の連帯保証人

中小企業白書の資料によれば、企業の数は470万社ほどあるそうです。
このうち従業員20人以下の小規模企業は410万社で、全体の87.2%を占めるそうです。
また、中小企業庁の企業金融環境実態調査によれば、
従業員20人以下の小企業がメインバンクへ「個人保証提供」している割合は、
実に88%にのぼるらしいです。
小規模企業410万社という数がすべて稼動しているわけではないでしょう。
中には休眠会社やペーパーカンパニーもあると思います。
が、仮に410万社の88%で人数を割り出すと、保証人の数は360万人になります。
「個人保証提供」というと、連帯保証人だか普通の保証人だかわかりませんが、
皆さんもよくご存知のとおり、一般的に言って、金融機関が求めてくる保証人
というのは、ほとんど全てといっていいほど、連帯保証人のことを指します。

(4)まとめ

賃貸住宅の連帯保証人1360万人。
住宅ローンの連帯保証人800万人。
中小企業(というより小企業)の連帯保証人が360万人。
あわせて2520万人・・・。

もちろんこれは正確な数字ではありません。
実稼動している小企業がもっと少ないかもしれないし、
重複して連帯保証している人も多いかもしれない。
また、住宅ローンの連帯保証人になっている人の数も、
これよりも多いかもしれないし、少ないかもしれない。

しかしいずれにせよ、2520万人という数字が
「当たらずとも遠からず」であることは間違いないと思います。
少なくとも、2000万人以上はいるのではないでしょうか?
興味深い部分なので、公的機関によるちゃんとした統計を期待したいところですね。

尚、これを読んだ読者さんの中には、
「賃貸住宅の連帯保証人と中小企業の連帯保証人を同一視して考えるのは
正当性を欠くのでは?」 という向きもあるかもしれません。

しかし、私はそうは思いません。

確かに、賃貸住宅の連帯保証人のほうが保証する金額が圧倒的に少ないし、
リスクも低いかもしれません。が、逆に考えれば、低リスクで保証する金額が
さほど大きくないにもかかわらず、ただの保証人でなく、身元保証人でもなく、
「連帯保証人」(=検索の抗弁権も、催告の抗弁権も、分別の利益もない、
主債務者と全く同等の全責任を負う。主債務者をすっ飛ばして連帯保証人が
債権者から集中攻撃を受けても文句を言えない、それが「連帯」保証人です)
を取るというのは、あまりにもやり過ぎではないでしょうか? 
これを従来のように半ば当たり前のように習慣化させたままでいると、
金融機関の連帯保証人の濫用もいつまでたっても無くならないでしょうし、
問題意識が世間に広く浸透することもないでしょう。

だから、あえて、賃貸不動産の連帯保証人も中小企業の連帯保証人もゴッチャに
して、「日本には連帯保証人人口が2000万人以上もいるんだよ。
そろそろみんな真剣に考えなきゃいけないよ!」 と訴え、
警鐘を鳴らす必要があると思うのです。

皆さんはこの問題をどう思いますか?


◎◎ 勉強会・相談会のご案内 ◎◎

・8月9日 東京勉強会 講師は吉田猫次郎。
・8月26日 名古屋勉強会&相談会 講師は吉田猫次郎。
・8月12日 東京の猫研事務所で認定司法書士の松鵜先生による無料相談会。 

とりあえずオープンな勉強会・相談会で日程が決まっているのは以上です。
申込・詳細は、http://www.nekojiro.net/study/index.html  へ。


◎◎ 私の近況いろいろ ◎◎

2ヶ月以上もメルマガをお休みにしていたので、その間に起きたことを
いくつか箇条書きにしてみましょう。公私共に。
(ブログをお読みの方はだいたい御存知ですね。)

・4月下旬、私事でちょっとつらいことがあったのをきっかけに、
 気分転換を兼ねてダイエットを始めました。
 なんと、生まれて初めての試みです。
 身長168cm。4月下旬当時の体重は約85kgありました。(←完全肥満)
 現在の体重は、75kg程度です。10kg減りました。(←やや肥満)
 まだまだこれからです。
 自転車通勤で運動量を増やして、あと10kg落とすつもりです。

・事務所を移転しました。千代田区鍛冶町から、墨田区緑へ。
 最寄り駅は錦糸町(やや両国寄り)です。
 以前の事務所から3kmほど離れたところです。

・講演を多数やりました。青年会議所、商工会議所、精神科医の自殺防止研究会など。
 中でも最も印象的だったのが、山梨県の中学校で全校生徒とPTAと先生方を対象に
 行った「お父さんの会社が倒産したらどうなるの?」と題する講演でした。
 本当は大勢の前で一方的に喋るのは好きではないのですが、とにかく印象的でした。

・仲間と3人で、「連帯保証人制度改革フォーラム」というホームページを
 新たに立ち上げました。→ http://www.rentai-forum.net/
 まだ何が出来るかわかりませんが、とにかく、この制度の過剰なまでの濫用を
 食い止めるべく、運動を起こさなければと思っています。

・また本を書きました。8月10日に発売予定です。詳細は次号で。


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【編集後記】
◎ メルマガ発行を随分長いことサボってしまいました。
ここまで長い間ブランクを空けたのは初めてです。
ブログのほうはかなりマメに更新していたのですが・・・

◎ 体重が10キロ落ちたら、食生活や体質、果ては性格までが、
少し変わってしまった気がします。落ち着いたというか。静かというか。
だけど肉体はホントに動かしやすくなりました。

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【編集・発行責任者】吉田猫次郎 (直メール: ooneko@nekojiro.net )
【発行者URL】  http://www.nekojiro.net/
【発行システム】『まぐまぐ』 http://www.mag2.com/
【マガジンID】0000056856 *登録・解除はご自身の手でお願いします。

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(続報です[第117号より])

◎◎ 「連帯保証人」じゃない「ただの保証人」の実態 ◎◎


 まず、おさらいです。
「保証人」と「連帯保証人」の違いについて。


(1)「保証人」とは?

 民法上の「保証人」とは、「主たる債務者がその債務を履行しない場合に、
その履行をなす債務を負う者」をいいます(民法446条)。
 保証人は連帯保証人と違い、「催告の抗弁権」(452条)と「検索の抗弁権」
(453条)が与えられます。

 「催告の抗弁権」(さいこくの・こうべんけん)とは、債権者が保証人に
債務履行を請求したときに、保証人が、まず主たる債務者に催告をなすべき旨を
請求できる権利のことです(452条)。
 保証人が催告の抗弁権を行使すると、債権者が主債務者への催告を怠ったために
弁済を受けられなかった債務については、保証人は催告をすれば弁済を受ける
ことができた限度においてその義務を免れます(455条)。

 わかりやすく言えば、催告の抗弁権とは、保証人が金融機関等から請求を受けた
ときに、
「主債務者がいるんだからそっちに請求してくれよ、俺のところに請求するのは
その後だろ!?」
と主張できる権利のことです。
 また、主債務者に返済能力があるはずなのに金融機関が督促を怠けたせいで
それが回収できなかった分については、「それは保証人のせいじゃないから
その分まけてくれよ!」と拒むことができると解釈していいでしょう。
 但し、主債務者が破産の宣告を受け、又は行方不明であるときは、この催告の
抗弁権を行使することはできませんが(452条)。

 「検索の抗弁権」(けんさくの・こうべんけん)とは、保証人が債権者に対し、
主たる債務者の財産につき執行をなすまで自己の保証債務の履行を拒むことが
できる権利のことをいいます(453条)。検索の抗弁権を行使するには、
主債務者に弁済の資力があり、かつ、執行が容易なことを証明しなければ
なりません。検索の抗弁権が行使された場合、債権者は、まず主債務者の財産に
執行しなければなりません(453条)。その財産は、過去の判例では、
債権の全額に及ばない少ない財産であっても良いとされています。
保証人が検索の抗弁権を行使すると、債権者が主債務者へ直ちに催告
または執行をすれば弁済を受けることができた限度において、その義務を
免れます(455条)。

 わかりやすくいえば、検索の抗弁権とは、「主債務者に資力があることが判明
した。ほら、これが証拠だ。これなら主債務者から回収できるだろ?だからまず、
俺のところに請求する前に、主債務者へ請求・執行してからにしてくれよ!」
と拒むことができる権利と理解していいでしょう。

 もうひとつ、民法上の保証人には「分別の利益」(ぶんべつのりえき)
というのが認められています(民法456条)。これは要するに、
複数の保証人がいる場合(これを共同保証という)、特約がある場合を除いては、
債務額を人数で頭割りした金額しか責任を負わないという原則です。
 たとえば、主債務者が1000万円のお金を借りたまま破産して、それに対して
2人の保証人がついていた場合、2人の保証人は500万円ずつ責任を負えば良いのです。

  「催告の抗弁権」と「検索の抗弁権」と「分別の利益」。この3つは
是非覚えておきたいですね。連帯保証人でない「ただの保証人」の場合、
この3つの権利のおかげで、主債務者と比べた場合の責任を負う順位がはっきり
しており、また責任の範囲も限定されます。

 保証人とは本来こうあるべきものであると思います。が、債権者にとっては
あまり都合の良いものではないでしょうね・・・。 さて次。


(2)連帯保証人とは?

 我が国で最もポピュラーな「連帯保証人」。
連帯保証人は恐ろしいことに、保証人に認められている「催告の抗弁権」も
「検索の抗弁権」も有しません(民法454条)。 また、「分別の利益」も
過去の判例では認められていません。主債務者とまったく同じ責任を負い、
債権者が主債務者をすっ飛ばして連帯保証人に全額請求することもできます。
連帯保証人が複数名いる場合でも、取りやすい相手に絞り込んで全額請求する
こともできます。債権者にとってはまったく都合の良い制度です。

 保証債務とは本来、主たる債務者が債務を履行しなくなってはじめて履行
するべきもののはずですよね。これを専門用語で「補充性」といいます。
「(ただの)保証人」には催告の抗弁権と検索の抗弁権があるので、この
補充性があります。主債務者→保証人と、順列がはっきりしているのです。
 ところが、連帯保証人になると、この補充性が排除されます。
「保証人」という名前であるにもかかわらず、主債務者と実質的に
全く同列に置かれているのです。

 皆さんは、この「保証人」と「連帯保証人」の違いを知っていましたか?
知らないで、「まあ、保証人になるぐらいならいいや」という感覚でハンコを
押していませんでしたか?

---------------------

さて本題ですが、それでは「保証人」はどのくらい普及しているのでしょうか?

 残念ながら、その実態は公式な統計では全くわかりません。
中小企業庁、住宅金融公庫、その他どの資料を読んでも、個人保証と言われる
ものの中で一体どの程度の割合が「(ただの)保証人」なのか、全く把握する
ことができません。

 しかし、少なくとも私は、「(ただの)保証人」で契約した人を聞いたことが
ありません。金銭消費貸借契約でも、不動産賃貸借契約でも、保証人といえば
すべて「連帯保証人」です。ひどい場合は、銀行の契約書の表面には「保証人」
としか書かれていないのに、裏面を読むと「~は~に連帯して」という文言が
書かれていて、実際には連帯保証だったとう例も少なくありません。おそらく
個人保証の99%以上は「連帯保証人」であって、「(ただの)保証人」は1%にも
満たないのではないでしょうか!?

 事実、知り合いの債務整理を数多くこなす弁護士さんや、金融機関の社員、
不動産業者などに聞いてみても、皆さん口を揃えていいます。
「個人保証といえば連帯保証人ですね。ただの保証人っていうのは聞いたことが
ありませんね」と。

 これはもう、「連帯」の濫用としか言いようがありません。

 私は、連帯保証人制度見直しのための何らかの運動を起こすとしたら、
まず、このことを最も強く訴えたい。

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