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2007.08.17

■速報!大阪高裁「架空請求」判決・・・「兵庫県弁護士会 消費者問題判例検索システム」より

‥‥……━★

こんにちは。

時間が無いので速報でご紹介させていただきます。内容については,またいろんなブログで書かれると思いますので,ご参考までに!

http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/hanreihtml/070731.html

070731 大阪高裁 GE 架空請求類似
●大阪高裁 平成19年(ネ)第676号 不当利得返還等請求控訴事件(平成19年7月31日言渡)
●裁判官 渡邉安一、安達嗣雄、明石万起子(6部)
●代理人 小城
●原審 奈良地裁 平成18年(ワ)第167号

●要旨

◎ GEコンシューマー・ファイナンス株式会社(ほのぼのレイク)に対して,過払金返還請求のほか,慰謝料・弁護士費用を損害賠償として請求した事案の控訴審。

◎ 悪意の受益者 → 肯定
  貸金業法43条1項の適用が認められないときは,原則として悪意の受益者と推定されるところ,本件では,例外を認める特段の事情はない。

◎ 過払金に対する遅延損害請求 → 否定
  一審原告が「民法419条によって,金銭を目的とする債務の不履行については,債権者は損害の証明を要せずに,法定利率による損害賠償を求めることができるから,民法704条後段の「損害」として,一審被告に対し,過払金に対する本件訴状送達の日の翌日からの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めることができる」と主張したことに対し,「すでに704条前段によって,悪意の受益者が,その受けた利益に利息を付して返還しなければならないとされていることから,同条後段の「なお損害があるときは,その賠償の責任を負う」とは,悪意の受益者が受けた利益に利息を付して返還しても,損失者のもとになおてん補されない損害が残るときは,それを賠償することを規定したものと解するのが相当である。」と判示し,「利息を付した利得金の返還によっても填補されない損害が発生していることを,個別・具体的に主張立証する必要があり,それをすることなく利息請求と併せて民法419条を理由にして法定利率による損害賠償を求めることはできない。」とした。

◎ 民法704条後段の損害としての弁護士費用 → 肯定(20万円)
  同条は,不当利得制度を支える公平の原理から悪意の受益者に対して責任を加重した特別の責任を定めた規定。訴訟の交渉では過払金の返還が受けられず,訴え提起を余儀なくされ,その場合,貸金業法の専門的知見,充当計算に関する技術的知見が必要であるため,弁護士に依頼することなどは通常生ずる事態であり,弁護士費用は,事案の難易,認容額その他諸般の事情を考慮して相当と認められる額は「損害」にあたる。本件では弁護士費用20万円が相当。

◎ 取引履歴不開示による不法行為 →肯定(慰謝料15万円,弁護士費用5万円)
  一審被告の取引履歴(一部)を消去したとの主張は,債権管理上看過できない不利益が生じるはずであるし,消去方法に関する書証との整合性を欠くし,開示した取引履歴との整合性も欠く等から,信用できず,保存していると認めるのが相当。
  一審被告が取引開始当初からの取引履歴を開示しないために,債務整理を終えることができず,不安定な立場に置かれてれとともに,弁護士に依頼しなければならくなったので,慰謝料及び弁護士費用を損害として認めた。

◎利息収受行為による不法行為 → 肯定(慰謝料15万円,弁護士費用5万円)
  一審被告は,常に数か月程度しか17,18条書面を保管していないため,みなし弁済が適用される余地が極めて乏しいことを認識しており過払金発生時に,法律上の原因を欠くことを知っていたと推認されるから,約定利率による請求は,架空請求に類似する。しかも,一審被告は,常に数か月程度しか17,18条書面を保管していないため,みなし弁済が適用される余地が極めて乏しいことを認識しながら,あえて請求して収受しており,一審原告の無知に乗じて請求して収受してきたものとして,社会的に許容される限度を超えた違法なものと評価せざるを得ない。

右クリックで判決PDFの表示か保存を選択http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/pdf/070731.pdf

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コメント

yuuki様

こんにちわ。暑いですね~あまりの暑さにずっとクーラーのきいた部屋から出れないでいます(笑)
買い物も、最近のスーパーは夜10時ぐらいまでやってるところがあるので、夕食を食べた後夜8,9時になってから行くんですが、夜でもまだ暑いです(;_;)

ご紹介していただいた、大阪高裁「架空請求」判決なんですが、じっくり読み込んでみましたが、ダメっていうか、思ってるかんじでは使えないですね・・・

主人は、過払い請求した中小サラ以前に、大手サラ金数社からも借り入れがあったそうで、完済しているので、過払金は必ず発生しています。
でも最終取引日(完済日)から10年以上経ってしまっていますので、消滅時効です。
そこでこの大阪高裁「架空請求」判決を使って、なんとか損害賠償請求で過払金を取り返せないかな?と思ってじっくり読んでいたのですが・・・
むずかしそうです。_| ̄|○

この判決文の中の
『利息収受行為による不法行為』
・約定利率による元利金の請求は、一部又は全部が無効な部分を含んでいることになり、その意味で架空請求に類似すると言わざるを得ない。
・被告の制限超過部分の請求や利息収受行為は、不法行為を構成するというべきである。

・・・が一番のキモかなと思うのですが、でも所詮認められたのは、慰謝料15万+弁費用5万です。

上記キモ部分を使って、損害賠償請求事件として、過払金と利息を請求するには全然遠いというか、本人訴訟ならせいぜい、慰謝料10数万程度です。

あーどこかの偉い弁護士さんが、不当利得金返還請求事件ではなく、損害賠償請求事件で過払金+利息を取り返す判例を作ってくれないものでしょうか(笑)

投稿: あさぎり | 2007.08.18 17:17

あさぎり様

こんばんは^^いつもありがとうございます。最近「逆襲様」の掲示板でお見かけしました。あさぎり様の回答を見るのが,いつも楽しみにしているファンの一人です^^;

大阪高裁判決へのコメントありがとうございます。なかなかコメントを出してくださる方がいないので困っていた所です。私だけのコメントでは力不足を感じているからです。

ちなみに今回私は,特にGE側の取引履歴の不開示を「開示した取引履歴との整合性も欠く等から,信用できず,保存していると認めるのが相当。」の所が印象に残りました。

さて時効10年の壁の件ですが,私は慰謝料だけでは無いと望みを捨てていません^^;

それは,
(不法行為による損害賠償)
第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)第724条 不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする。

このことは,CFJ札幌高裁「架空請求」判決の宮原一東弁護士が既報でも次の通り言われています。

架空請求詐欺と認定したことの意義は慰謝料を認めた点だけではなく、過払金請求の時効消滅を事実上封じた点にもあると思います。なぜなら、不法行為で構成する場合、損害及び加害者を知った時から3年間は時効消滅しませんが、サラ金から取引履歴の開示を受けて、計算が完了するまで、多重債務者が過払金という自らの損害や加害者を知ることはないからです。これまで過払金請求訴訟は不当利得で構成することが多かったと思いますが、今後は不法行為で構成することも検討の余地がありそうです。今後は最終取引後10年を経過した案件でも、過払金請求を諦めることはないと考えます。

今回札幌・大阪の両高裁判決で初めて不法行為を「知った」ので,3年間は時間があるように思います。

その間に,あさぎり様の言われるように,宮原弁護士のような方が「判例」を作っていただけないか,推移を見守りたく思います(^^ゞ

投稿: yuuki | 2007.08.18 21:37

yuuki様

>最近「逆襲様」の掲示板でお見かけしました。あさぎり様の回答を見るのが,いつも楽しみにしているファンの一人です^^;

yuuki様にそう言ってもらえるなんてすごく嬉しいです。ありがとうございます。

私も、宮原一東弁護士の、『これまで過払金請求訴訟は不当利得で構成することが多かったと思いますが、今後は不法行為で構成することも検討の余地がありそうです。』というコメントに期待しています。
不法行為=損害賠償請求事件での判例が出れば、即効、提訴しようと思ってます(笑)

ところで、GE定番の「93年以前の取引履歴は、ない」部分ですが、以前N太様のブログで知った「中国の大連にある」にしろ、あきれますよね。
GEが93年以前の取引履歴を処分しちゃったって言うのは、どういうつもりだったんでしょうね。
取引履歴が無いとすれば、93年以前の過払金の返還を免れるとでも、考えてのことなんでしょうか?
もしそうなら、浅はかというか、卑怯なやり方だし、違う理由であっても、GEはこの件についてはきっちりペナルティを負うべきですよね。

ところで、この判決文でもう一つ気になるのは
『過払金に対する遅延損害請求』部分です。

①確定利息(引直し計算書に出てくる利息ですよね)
②最終弁済日の翌日から支払済みまでの5%利息

・・・は、『悪意の受益者』部分で、請求しているのに(←これは認められています)、
それとは別に、『過払金に対する遅延損害請求』として、『訴状送達の日の翌日から支払い済みまでの5%遅延損害金』を請求していますよね。もっとも結局認められませんでしたが・・・
(私の読み解き違いじゃないですよね?)

「5%利息」とは別に、民法419条を使って「5%遅延損害金」をも請求するって発想が、さすがプロって思いました。

投稿: あさぎり | 2007.08.18 23:02

あさぎり様

そうですね,GEに関しては今回の件でキチンとした対応を期待したいですね。

それから私も民法419条を使って「5%遅延損害金」・・・の件は今回初めて知りました。

未開の部分をトライされる弁護士がいるというのは,私は凄く嬉しいです(^^ゞ

(今夜はこれで失礼します)

投稿: yuuki | 2007.08.19 00:16

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