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2009.03.04

■3・3最高裁判決の続報(「プロミス逆転敗訴!」)の解説と今後の影響・・・弁護士HP・ブログ等より

‥‥……━★

こんばんは。

いつもご紹介させて頂いております弁護士様ブログ・HPより,慎んでご紹介させていただきます<(_ _)>

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3月3日最高裁第3小法廷判決 契約が終了しない限り時効は進行しない

(「馬上行動 山田冬樹の部屋」様ブログ 3月3日付より抜粋ご紹介)http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090303

本日平成21年3月3日付最高裁第3小法廷判決 取引終了するまで時効の開始を認めず
 こうした契約がある状態で、昭和54年1月18日から平成18年10月3日まで27年間、プロミスから借入と返済を繰り返してきた人が、プロミスを相手に27年間の取引で発生した過払い金約630万円の支払いを求めて起こした訴訟があった。

 この事件の第2審判決である、名古屋高裁平成15年12月27日判決は「過払金返還請求権は,個々の弁済により過払金が生じる都度発生し,かつ,発生と同時に行使することができるから,その消滅時効は,個々の弁済の時点から進行するというべきである。」として、27年間の取引のうち過去ほぼ10年分の取引から発生する過払い金しか認めなかったのである。

 しかし、本日13時30分、最高裁判所第3小法廷は、27年間の取引期間全部について、そこから発生する過払い金の全額を支払うよう、プロミスに命ずる判決を言い渡した。平成21年1月22日付最高裁第1小法廷判決と、同じ結論だ。』

『第三小法廷の判決の理由
 09年3月3日付最高裁第三小法廷判決をいささか意訳すれば、次の通りとなる。

リボルビング払いの場合、毎月の支払は当時ある借入全体に対してなされるものだから、かかる合意は「過払い金が発生した後に新たな借入があれば、その借入金の支払いに充てられる」という合意を当然に含んでいる。
だとすれば、いったん過払い金が発生しても、取引が継続している限りは、その後新たな借入金の発生が予想され、その時点で過払い金返還請求することはない。
かかる過払金充当合意が存在する限り=取引が継続している限り=また借りるかもしれないと思ってカードを持ち続けている限り、時効は進行しない。※判決は「過払金充当合意は法律上の障害としえ過払い金請求健の行使を妨げる」とする。 』

『取引に中断ある場合、一連計算か連続計算か
 「一個の基本契約のもとなされた取引において中断(利用しない時期)がある場合、取引が終了しない限り全期間を通じて一連で計算するか、中断があればそれぞれ別個の取引すべきか、」という争いがあり、貸し手側と借り手側で大きく争われていた。一連計算説にたてば、取引継続中は時効にならず、個別計算説にたてば取引中断後10年で中断前の取引から生じた過払い金の返還を求めることはできないことになる。09年1月22日付第1小法廷判決は一連計算説に立つものだが、3月3日の第3小法廷判決は、この点が明らかでない。最高裁判決の場合、法的思考の過程は示されるが、紛争の内容について触れられないため、いかなる事案なのか不明なのだが、おそらく27年間完済することなく取引が継続されていたのではないか。

 ただ、法的思考としては、1月22日判決と同様のものと考えられる。そのため、個別計算説をとった第2小法廷判決が引用されていないのではないか。』

『3月6日に第2小法廷判決
 09年3月6日に最高裁判所第二小法廷が、最後の10年間に限り過払い金返金を認めた広島高裁松江支部判決に対する上告審判決を言い渡す。第二小法廷は、個別計算説に基づき「第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在するなど特段の事情がない限り,第1の基本契約に基づく取引に係る過払金は,第2の基本契約に基づく取引に係る債務には充当されない」という08年1月18日付判決を出したところである。この解釈が変更されるのか注目したい。

(詳細は上記リンク先にあります。是非ご覧下さい<(_ _)>)

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3・3最高裁判決を受けて,プロミス他の主な消費者会社の対応等が書かれていますのでご紹介させていただきます。

■「庶民の弁護士 伊東良徳のサイト」様HP 3月3日更新分より抜粋ご紹介http://www.shomin-law.com/index.html

借金:プロミスの場合更新(2009.3.3):最高裁第3小法廷3月3日判決を反映
借金:アイフルの場合更新(2009.3.3):上に同じ
借金:CFJ(ディックファイナンス・アイク・ユニマットレディス)の場合更新(2009.3.3):上に同じ

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プロミスの裁判対応

『(省略)

プロミスは、取引継続中でも過払い金の消滅時効は個別に進行し、過払い発生から10年経過するとその過払い金が消滅するという高裁レベルの判決を、立て続けに取っていました。名古屋高裁2007年12月27日判決と広島高裁松江支部2008年4月16日判決です。「CFJ(ディックファイナンス・アイク・ユニマットレディス)の場合」でも指摘したように、そういう高裁判決もあります(別に最近そうなってきたわけではなく、昔から時々そういう判決は出ています)が、大多数の裁判所は、取引継続中は消滅時効は進行しないとの立場を取っています。その意味で、大勢に影響はなかった(少なくとも全体の状況を知っている弁護士にとっては特に影響なかった)のですが、「驕れる者も久しからず」でしょうか、プロミスが取ったこの2つの高裁判決に対して、最高裁が過払い債権者側の上告受理申立を立て続けに受理して、2009年1月19日と20日に口頭弁論が開かれました。ということは、この2つの高裁判決は破棄されることになるわけです(そのあたりの説明は、「まだ最高裁がある?(民事編)」をみてください)。その判決の言い渡しは2009年3月3日と3月6日に指定されました。この論点については、プロミスの事件に先立ち2009年1月22日に第1小法廷が東日本信販の東京高裁の事件(これは過払い債権者勝訴の判決)で大方の予想通りに、一定限度額内で繰り返し貸し借りを継続する基本契約に基づく取引の継続中は過払い金返還請求権の消滅時効は進行しない、過払い金返還請求権の消滅時効は特段の事情がない限り取引が終了した時点から進行すると判断して決着を付けました。その後、2009年3月3日に第3小法廷がプロミスの名古屋高裁の事件で、第1小法廷の1月22日の判決と同じ内容の判決を言い渡しました(田原睦夫裁判官だけが反対意見を書いていますが)。この後2009年3月6日に第2小法廷もプロミスの広島高裁松江支部の事件で同じ内容の判決をすることがほぼ確実で、2009年3月6日までに3つの小法廷で一致した確立された最高裁判例となる見込みです。

(その他,「アイフル」と「CFJ」の場合も是非ご覧下さい<(_ _)>)

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☆今日の一言☆

「プロミス」は消費者金融の雄です。その「プロミス」が逆転敗訴したことは,今までの最高裁判決よりも影響力が甚大と思われます。

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今日は昨日の反動やアクシデントがあって,バタバタしておりました。

他の情報も書きたいのですが,今夜はこれまでにさせて頂きます<(_ _)>

(それでは,また明日に!)

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コメント

判例の時効の運用についての理解についての基本的な疑問(わからないこと)

これまでの過払い金返還実務は、裁判をする場合には、取引継続が時効の障害事由となるので消滅せずとする下級審判決がでるので、10年以上請求が認められ、取れていたケースが多い。履歴さえ出されれば。他方、裁判外では、10年が一般的で、業者が自ら10年以上払ってくることはなく、それどころか、もっと短い期間で和解を求めてくる。
過払金実務の多くが司法書士に委任されている。簡裁代理権しか与えられず、地裁に上訴される怖れがあれば、本人訴訟になってしまうことや、また費用を考えて、多くの司法書士はできるだけ裁判をさけようとする。
弁護士にいけば10年以上でも取れるものを、裁判もしないで、取れるものをとらない司法書士と言った批判は、裁判しても取れる金額が限られている理由もあり(簡裁代理権は訴額140万円以内)、手間と費用をかければ、任務懈怠とはいえないだろう。

ここでそんなことを議論しようとするのではない。上記事実の確からしさに関する認諾を議論するのが目的ではない。過払い金返還の担い手の多くが裁判の避け、裁判外の和解を実務とする司法書士であるということだ。それは事実だろう。

今後は、裁判をしなくても、裁判外の和解で、10年以上取れることになる実務に移行する結果をもたらすことになる。法務の実務慣行上、大勢は決まっていたが、なお下級審では動向の不安定のなかで、判例法理が確立されたのだから、それに応じなければ、違法業者となり、監督官庁の処罰を受けることになるからだ。

これは取引期間が長い、大手業者ほど重大な影響がでるだろうし、上場していなければ、1000億円の中堅以下の規模では、監督庁処分など気にしていられない財務状況になってきた。10年以上和解するくらいなら、裁判して決めてくれと言い出すだろう。


しかしこの判例の奇妙な点がある。
時効の法律は、不勉強で検討を要するが、以下まとめてみた。

判例は、取引が継続している場合、と特定している。~の場合というのは、「~の場合に限り」と読める。
また次の貸付によって充当合意されている場合に、と条件付けしている。
そして、契約文言上、どこにも明確な充当合意がないが、あったとしている。裁判所は実務上の取引慣行から、充当合意が争われていない事実から、充当合意を推定したのだろう。その法律審について、下級審で争いがあったかは、判決文からは知らない。

判例から、
①取引継続していないと判断されたら、時効進行の障害事由が発生しない。
②充当合意がないとすれば、時効進行の障害事由が発生しない。
すなわち、ここで裁判所は、法律構成として、「充当合意」という時効中断の障害事由概念を自ら作り出してきて、それが存在するから、時効消滅していないと判断した。

時効中断の障害事由とはなんだったのか。過払い金の貸付充当合意が、障害事由にあたるのかということについて、裁判所は法的分析を提供していない。唯一、充当合意説に反論したのは、田原睦夫だけである。
教科書的にいえば、時効障害事由としていわれるのは、法定中断であり、裁判上の請求、支払命令、差押・仮処分などであるとされる。
それ以外に、当時者の承認の場合であるが、時効の利益を受けるべきものが時効により権利を失うべきものに対して、その権利の存在を知っていることを表示することをいう。単なる事実の認識の表示であり、意思表示でないとしても、積極的行為を要するだろう。不作為で逆に表示があったとみなされるとは穏やかでない。

充当合意は、後から過払い金計算上、そのように計算するにすぎないのではないか。その時時に充当合意があったと法がその同意を擬制することになるのか。
どうみても、充当合意は、既存の法の枠組みの通常の時効障害にはあたらない、特殊な「みなし」時効障害を裁判所が創設したようにみられ、時効の革新的解釈と位置づけられるのではないか。
「みなし弁済」という奇妙な法律構成の結末は、「みなし時効障害」という奇妙な救済策となった。

ここで新たな時効の法概念が作り出された。継続取引で、時効消滅がない以上は、理論上100年でも遡れる。すでに確定してしまった経済的損益、権利関係が、20年でも30年でも遡って否定される。経済は法の関心外ではあるが、経済社会の不安定要因になる。利益を得たが、結果的に「架空利益」だった所得に課税され、税金で払ってしまった金は会社には戻ってこない。従業員にもサラリーとして分配してしまった。結果として、このみなし時効障害法理を使って、債権者が請求をし続けると、業者はいずれ破綻し、過払い金債権者は、10年分どころか、請求額の何割の分配金さえ取れなくなってしまうということになるということだ。早い者勝ちということか。

投稿: mac | 2009.03.05 11:54

>mac様
最高裁が充当合意なる概念を打ち出したのは今回の判決が初めてではないことはご承知かと。(最一判H19.6.7参照)
この法理に基づいて、既に充当合意が存在することを前提に、今回の消滅時効の起算点を判断したにすぎません。
起算点を判断するために、充当合意なる概念を生み出して法律構成したのではない。

ただし、充当合意なる概念は、ご指摘の通り、明示の合意=特約ではなく、黙示の合意であるから、単なるフィクションであり、合意の擬制ではあります。

気になったのは、時効障害事由として、中断や承認を挙げておられますが、今回の判決は消滅時効進行の起算点がいつかを示すものですから、民法166条1項の「権利行使することができる時」に対する法律上の障害とみるべきです。消滅時効完成へ向けての時間進行を中断の話ではありません。

投稿: 通りすがり | 2009.03.07 02:31

通りすがり様

早朝のご訪問&コメントありがとうございます。

非常に分かりやすいご解説を頂き感謝申し上げます<(_ _)>

私も改めて勉強になりました(^^;)

今後もよろしくお願い申し上げます(^^ゞ

(先ずはお礼まで)

投稿: yuuki | 2009.03.07 11:47

通りすがり様、
ひとこと、ご指摘になりたいお気持ちは重々わかっております。それを理解した上で、充当合意を時効中断事由として、構成してみたわけです。
充当があったという「黙示」の合意という理論構成は、判例上、幾多の裁判例の積み重ねから見受けられ、確立した法理になっているようです。
黙示の合意が相手方抗弁を完全にシャッタウトするほど事実として有力なものかわからないので、擬制と考えても見ましたが、法理上無理を通せないのか、そのような解釈はなされていないでしょう。

黙示の充当合意があると認定されたら、時効の進行の起算点はどんどん先送りされて、今日にまで来てしまう。理論上何十年も。その結果は時効の制度が本来の目的がめざしたものかは疑問になりますが、テクニカル上可能になる。

権利行使ができるときを、やむを得ない法律的に認めざるを得ない障害が発生するから、障害が消えて権利行使が可能になるまで起算日を先送りをする。
それを私は、時効進行は始まったが、それと同時に、法律的に正当とみなされる時効障害事由が生じて、中断していた。取引が終了した時点で、実務上は債務整理介入があった時点で、時効が進む。
法律構成がちがえどいずれも結果は同じですが。ただ充当合意が時効の障害事由と法解釈できるかという問題が残り、その法的分析が必要になってしまう。

本来、時効の制度は、実体法上、権利の発生、消滅、変更に影響を与える実体法ではなく、効果として救済手続きとして、どこまで権利を認めるか、実体法とはかかわりなく、訴訟原因の消滅期限という方法で手続き法上の制限ということではないでしょうか。過払い金はもっと存在する場合、手続き上実現できる手段がないだけ、訴求できないだけで、給付請求権に期限的な足枷がかけられるが、債権の保持力はある。時効の壁にかかわらず計算した過払い金についての存在を確認訴訟ができるか、やったひとはいないでしょうけど。
単なる自然債務で、任意に払ってくれたら
ありがたい債権。

契約上の黙示の充当合意を法律上認めてしまえば、その実体解釈があれば、時効の起算点認識が決定される。しかしそれ自体、時効の問題についての争いではなく、実体法の解釈問題ではないでしょうか。すなわち、本件らの法理は、時効というより、充当合意を前提としたときの時効ということであり、判例では充当合意を認めたにすぎず、その場合の救済手続きとして、消滅時効起算日が決まる。

時効制度が救済手続きと位置づけたとき、充当合意といった事実に対しての法解釈技術を用いずとも、いったん始まったことを認めて、継続取引がある限り、時効障害が発生して今日に至ったと、実体法解釈にふれないで、法律構成を考えてみたわけです。

以下話は上とは違いますが...
実体に影響がないと考えたとき、金利ひきなおしによる残存債権額計算において、借入れ額100万円、引き直し計算後30万円あったとし、時効により消えた超過支払い部分が40万円あったとします。現在の債務整理慣行では、30万円を3年分割金利無しでリスケ合意しているとした場合、給付請求、訴求できない性質の債権といえども、債権自体は存在するのですから、相殺してしまい、払わない、というのはどうか。
時効の上では給付請求を求めることができませんから、相殺もできないと考えるのでしょうけれど。払わなかったら、訴えてきて、裁判所で決着すればいい。
裁判所は、債権が発生していないと判断するでしょうか。債権は発生していても、時効によって阻まれただけで、発生はしているでしょうし、消滅時効で、債権が消滅したわけでもない。手続き上許された出訴期限が切れたにすぎない。

なんだか、分からない話になりました。

投稿: mac | 2009.03.07 14:06

>mac様
大変ユニークな発想ですね。
ただ、時効制度は、実体法上、権利の発生、消滅、変更に影響を与える実体法ですよ。訴求できないわけでも、手続き上の制限でもない。なぜなら、時効期間が到来しても債務者が時効の利益を得るために援用しない限り債権は有効なのだから、期間到来だけでは、少なくとも裁判上の給付請求手続きの妨げにはならない。加えて、債務者が援用すれば、債権そのものが消滅する効果が発生するのであって、自己破産の免責と違い、債権が自然債務になるのではない。

解釈の前提が違うと思いますが。

投稿: 通りすがり | 2009.03.07 15:23

時効が旧法とは異なり、現に民法に規定される以上、その点で線引き基準すれば、訴訟制限ではなく、実体法でしょう。
特にそれが訴訟結果に影響を与えるような作用を及ぼすとすれば、それは実体法の領域に入ってくるともいえる。手続き法であれば、訴訟結果には影響を与えない性格の法律と考えることができるでしょうけれど。
そこで、時効は権利行使できる請求権の範囲を限定する効果はありますが、実体法をさらに限定して、権利の発生、消滅、変更に影響を及ぼす法律と定義したとき、時効はそのようなものとして性質決定できるか。債権存在を認否のため、主要事実の判定のための要件となりうるか。

ご説明では、時効が権利発生を基礎付ける根拠のように聞こえますが、権利は時効とは無関係に成立しているが、時効消滅していれば訴求できる範囲にないにすぎないと考える。その点で債権の存在に時効は関係しない。

いやいや、時効は援用権という実体上の権利の行使があって、初めて権利が生まれると説かれるように聞こえます。援用がなされないと、確かに「権利の取得及び消滅」、すなわち実体的な権利の得喪関係を生じません。しかし行使によって初めて時効による効果、この場合は、権利の得喪が生じるにすぎないのであって、実体上の権利の創設とは関係がない、影響を与えないと考えます。援用は、時効の効果発生に対して、阻止的に作用するいくつかの法則のひとつと言われますが(放棄・中断・停止)(四宮・民報総則4版290頁)、その点でも、実体権の生成プロセスにとって直接影響をあたえる実体法ではない。

援用とは何か。援用が法律行為と同視されるれば、援用は全て権利能力あるものの意思表示をともなう必要があります。果たしてそうか。時効障害の要因としてあげられる承認(民156)には、権利の処分能力を問わず)があり、観念の通知を認めています。
事実上権利の放棄となる場合の時効の放棄であれば、あるいは権利取得を目指す援用であれば、意思を伴う実体法的行為を前提にするでしょう。
しかしながら、援用が権利発生の要件であるわけではなく、効果発生に阻止的に作用する法律上のトリガーと考え、それが手続き上で実現され、権利が拘束をうけるという点から、手続き上の法技術と考えます。

なお時効が訴訟法に分類したからといって、意味ある議論とはなりません。実際に訴訟結果に影響を及ぼす要因であり、その点では、実体規則ということになる。
現民法は疑問なく時効を組み込んだようですが、時効が訴訟法に入っている国も多い。
民法改正で、時効が改正されるようですが、一律でなく対象ごとに、実体法のなかでそのまま期限を変えるとされる。昨日まで10年が今日からは5年になってしまうと、確かに実体法だけに権利に大きな影響を与えます。どうするんでしょうか。
訴訟法においておけば、権利には直接影響をあたえないとして、権利発生のときの手続き法を使う方法も主張しうるかもしれないでしょうけれど。

投稿: mac | 2009.03.07 17:17

>yuuki様
貴殿のブログで、いらん口出ししてすみませんでした。
mac様の持論につきあうつもりも全くないので、これで失礼します。

投稿: 通りすがり | 2009.03.07 20:58

通りすがり様

ご助力感謝申し上げます。
またよろしくお願い申し上げます<(_ _)>


mac様
いつもありがとうございます。
今回は,「基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点」が「時効の起算点」であった・・・,という事については「庶民的な思考力」で何とか理解ができている次第です<(_ _)>

投稿: yuuki | 2009.03.07 22:32

どの部分が持論とご指摘か、具体的に分からない部分がありますが、誤解なきよう、実体法と手続き法について、さらに一コメントご容赦下さい。

実体法とは、権利を生じさせ、消滅させ、変更すると定義します。
過払い金の発生について考えれば、実体権を創設するのは、スライドリボ式金銭消費貸借契約、不当利得の法理、出資法とということになります。ただし出資法が、私的訴権として私的な訴訟原因として使えなくて、行政取締役法規とすれば、実体法とはみなされないかもしれませんが、その一部なり、利息制限法を基準として必要とする。
時効を根拠として、権利が発生し、裁判所は実体法裁判規範として、時効による権利発生を認めるという理解になります。
時効とはそういう性格の法律ではなく、救済手続きの制限をするか、援用という手続き上有効な意思表示がなければ、権利が発現しないにすぎない。
時効は、権利の内容自体について、主要事実を分析するさいに、ベースとなるものではない。

これは法の一般的理解ではなく、持論でしょうか?
ただしこの先に展開される議論について、充当合意あるいは継続が、時効障害事由というのは、持論でありますし、そのような解釈は下級審でも主張されていないでしょう。

継続して取引する以上、債務者(いえ、過払い債権者)は継続してそのまま借りたい可能性を確保するため、借りている以上、信用情報を悪くして、借りられない立場にならないよう、援用の権利行使ができない事情にある。権利を確定できる状況にありながら、経済的事情からやむをえず権利の主張ができない。権利行使ができるのは、取引が終了してからという判例法理。

他方で、一旦過払い金が発生すれば、その時点以降、法律上いつでも援用できる状況にあったのではないか。すなわち消滅時効スタートしたはずではないか。仮に(1)100万円の過払い金が発生しており、次の貸付で、70万円を借りても、30万円の過払い金が消えずに残る場合はどうでしょうか。この30万円は、永遠に消えないで累積する場合、この過払い金についても、時効は取引が終了する今日まで、始まらないのでしょうか。理論的な理解として、部分的理解をしない。全体を不可分一体と構成するのでしょう。
では、その30万円について、地方自治体がやってきて、債権者代位権行使して、援用を代位して請求したら、どうでしょう。不当利得も金銭による返還ですから、量的分割はできることになります。すなわち切り離せない不可分一体とはいえない。とすれば、その部分については、借入れ返済により、不当利得金額は変動しますが、権利行使できる状況が発生していることになる。
(2)継続取引のなかで、残高が一度もゼロにならず、借入れ返済の繰返しのなかで、過払い金が発生したり、消えたりする場合に、取引が終了するまで、技術的に過払い金発生が確認できなくて、時効が起算点が先送りされる。
(1)のケースでは、そうはいっても、当時法律の知識不足で債務者と信じていた以上、過払い金を請求できる状況になかったのであり、債務整理になってやっと気づいた場合には、消滅時効スタートの起算点として、認識があった日からという理屈でしょうか?

充当合意論については、田原睦夫判事が反対意見を書かれておりますが、あらゆる取引状況において、その根拠法理が適用できるか、疑問が残るのではないでしょうか。

投稿: mac | 2009.03.08 00:42

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