■「債権譲渡・過払い債権」について,「mac様」の見解と論述のご紹介(「移転の基本」+「信託譲渡、証券化のもつれた関係の解明と責任負担」
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こんばんは。
毎日いろんなニュースがあります。
先ずは明るいニュースから,
「NHKニュース 宇宙ステーション 映像で紹介」http://www3.nhk.or.jp/news/t10015622051000.html
『
日本人として初めて宇宙に長期滞在している若田光一さんが、いわゆる「ガイド役」になって、国際宇宙ステーションの中の様子を紹介する映像が届きました。
映像は、若田さんが今月4日から13日にかけて撮影しました。若田さん自身が、いわゆる「ガイド役」になって、日本の実験棟「きぼう」をはじめ、宇宙ステーションの中の様子を紹介しています。映像は、あわせて40分間で、若田さんは、無重力状態のステーションの中を宇宙遊泳しながら移動し、寝室やトイレ、運動器具など長期滞在中の暮らしぶりがわかる施設や設備を詳しく説明していました。いっしょに滞在する仲間の乗組員たちとの食事のシーンでは、若田さんが食べようとしたごはんを隣にいたアメリカ人の乗組員が横取りする場面などもあり、初めての長期滞在を楽しむ様子が伝わってきます。若田さんは、最後に「いっしょに宇宙で仕事をする仲間が出てきたらいいな、と思っています」と笑顔で呼びかけていました。この映像は、宇宙航空研究開発機構のホームページで見ることができます。(ホームページ=http://www.jaxa.jp/)
』-----
さて,海外からは心配なニュースがありました。
メキシコでの「豚インフルエンザ」の問題です。今回は「鳥」でなく「豚」ですから,より人間に近いです(怖)
「WHO事務局長、豚インフル「極めて深刻な状況」(読売新聞ニュース様)http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090425-OYT1T00877.htm
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また今日は「JR西日本・脱線事故」がありました。もう4年も経つのですね・・・。
「JR宝塚線事故4年 雨の慰霊式、追悼の警笛」(朝日新聞ニュース様)http://www.asahi.com/national/update/0425/OSK200904250015.html
・・・入学間もない方もいました。本当なら卒業される年度です(黙祷)
他にも「幼い子供」が被害に遭う・・・,心を痛めるニュースが続きます。。。
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さて本題です。
いつもコメント欄に「mac様」が,多大な時間と情熱をかけた「論述」を頂いております。敬意を表して,今回慎んでご紹介させていただきます<(_ _)>
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■債権譲渡と過払金債権の移転の基本
http://yuuki.air-nifty.com/go/2009/04/post-c3da.html#comment-36324810
『
債権譲渡とは、ある契約にもとづく原因から生じる債権を譲渡すること
債権譲渡 民467条の成立要件requirements 1 は, 債権が存在しなければ、譲渡できる。債権が存在すること。
売主は、表明保証representations and warrantiesをして、①有効かつ正当に発生し、②現在なお存在し、消滅していないと証明する。
存在していない債権は、したがって譲渡できない。
買ったほうは、あったと勘違い(誤解)させられて買ったことになり、無効になる。
ただ引き直し計算すれば過払金の発生する債権が消滅した債権であることを知って買ったわけだから、債権がなければ、譲渡することができないに過ぎない。
成立要件(訴訟になったら、裁判で証明する。請求者と被請求者はどれかの要件の成立で、逆の主張にする。)
①不法な原因(詐欺、賭博、売春など公序に反する場合ほか)によらず、債権が合法的に正当に発生している。(発生原因の証明)
②消滅とは、金銭債権では、通常、弁済、代物弁済、相殺などにより、消滅するが、そうした事実がないことの証明。
③債権者が譲渡の申し出をし、譲受人が譲渡の応諾をする。
④ 効果のひとつとして、債権譲渡は、債権者と譲受人の合意で成立する。債務者(借り手)の合意あるいは同意は不要であるが、債権はそのまま譲渡されるだけで、債務者に影響を与えてはならない。
債務者に通知があれば、ただ債務者に譲渡の事実を対抗できるにすぎない。すなわち、直接譲受人が借り手から回収できる。譲渡登記や確定日付き譲渡通知を譲渡者(権利喪失者)が債務者に送付した場合あるいは債務者の承諾ある場合には、対外的に権利関係が確定し、譲受人は譲渡人の債権者他、誰にも権利を対抗できる。
ここで、過払金債権とは、一般の債権である。過払金返還請求権者は借り手であり、過払金返還義務者は貸し手である。ししたがって、過払債権の譲渡があったとすれば、要件事実が成立していたことの証明が必要となる。債権者が譲渡の申し出をして、譲受人から応諾者があった譲渡契約が成立していたか。過払債権の譲渡が有効に成立したかどうかを争うという状況では、当然その点が争いになる。過払債権の譲渡があったと主張する側が、証明責任を負い、抗弁する側は、譲渡の事実がなかったという事実を提示する。
さらにここで、過払債権は、過払債務者が、過払債権者に合意を取らず内密に譲受人(債務引受人)に譲渡できるものではないし、そういう譲渡は要件を満たさず成立しない。それでは過払債務者は、過払債権者から、譲渡行為について、法律行為を代理する委任を得ていたか。否
過払債権者は、したがって、自分の有する貸し手に対する不当利得返還請求権を譲渡しただろうか。否。
こうして債権が譲渡されたからといって、ローン債権者の債務までもが同時には譲渡されない。また譲受人には債務引受の意思を表示したわけでもないから、表示意思とは異なるから、当事者の意に反して権利が成立しまったことになる矛盾が生じる。また債務承継契約でも、買収などのような貸し手の地位の承継(貸し手の立場が置き換わる)を伴う取引でもない。
ここで奇妙な話に浮き上がってくる。
過払債権者が譲渡する対象物としての債権が、譲受人に譲渡される前に既に発生していなければならないのは当然であるが、過払債権は、借り手が自らの損失を負担することで、貸し手が受益を受けたという権利状態がすでに発生しているという点である。
つまり、借り手と譲受人との間で過払債権が発生しているというのではなく、貸し手との間で過払債権が発生しているという事実があり、債権譲渡に伴い、過払債権も移転するという法律構成をとりたいという意味での請求である。
論点2
過払金返還請求権とは、不当利得返還請求権を意味し、その成立要件4つを、民703条が規定する。
①Aに受益があった
②Bに損害が発生した
③Aの利得は、原因なき(受益する正当な理由がない)受益だった。
④AとBには因果関係がある。
単純なケースとして、
Bは(AとBとの間のローン債権があると信じて、あるいは信じさせられて、実は債権は消滅していたが)Aに支払いをした。
4つの要件を満たす。Bに発生した損失について(請求側の直接事実の証明責任)、Aがそれにより受益を受けたこと(請求側の直接事実の証明責任)、その支払いには理由がなかった(請求側の直接事実の証明責任)。
保証人の場合に保証行為の履行があって、損害が発生しても、わかりやすい。
振興銀行にはどういう意味で受益したhas obtained 事実があるのか。これから請求できる権利というのではだめ。
Aに利得があったか、なかったかから始まり、それが法律上の原因なき、不当かどうかが争点(互いが見解相違で争う)になる。
振興銀行は、債権譲渡が成立する前に、借り手との契約関係が存在しておらず、借り手の損害において、なんら不当な利得を得ていなかった。
ここで、過払債権が移転によって移ったという主張しかできなくなる。しかし、論点1から、債権譲渡の対象がローン債権から発生する権利であり、請求原因を異にする過払債権ではなく、それが譲渡に随伴したり、譲渡に含まれるわけではない。
トライトでは、地位の譲渡が認められたケースで、取引が買収の性質を帯びていたか地位の承継、債務の引き受けの応諾を契約上でしていたと認められた。
』
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■債権譲渡、過払い債権、信託譲渡、証券化のもつれた関係の解明と責任負担http://yuuki.air-nifty.com/go/2009/04/post-c3da.html#comment-36332191
『
振興銀行は債権譲渡で、貸金業法24条が求める譲受人の債務者通知をしており、譲渡時に金利も利息制限法適用範囲の15%に下げたという
それに対して信託譲渡を受けた証券化の受託銀行は、貸金業法の適用のある貸金債権を譲り受けながら、貸金業法24条が求める借り手への直ちにすべき譲渡通知を故意に怠ってきた。そして債務者との関係を譲渡前通りのままにするため、信託契約により譲渡者に回収事務を委託をして、借り手には譲渡がないような外観を装い続けた。
その理由はどこにあるだろうか。なぜ貸金業法は、グレーゾーン金利請求と受領を容認する貸金債権について譲受人に譲渡通知の送付を義務付けたのかの立法意思を考えて見る必要がある。
譲渡通知を出してしまえば、債務者は譲渡があり、債権者が金融機関であることを知る。金融機関は、貸金業法を適用による有効なみなし弁済を求めるよりも、利息制限法を超える金利を請求して、利息制限法に正面から反することに躊躇する。実際に、振興銀行が譲渡後の金利を下げたのは、そういう理由からだろうと憶測される。
経済的受益者にとって重要なのは、利得の幅であり、債務者対抗ができるかという問題ではない。債権の権利関係は、譲渡者倒産手続きでの管財人や譲渡者の債権者を含む第三者に対する優先的な対外的効力さえ確定できればよい。対外的な権利の主体、帰属の変更は、譲渡登記だけで完了する。
譲渡により金利を利息制限法の範囲に下げるよりも、27%の回収金がそのまま回収され、回収期間中(通常は隔週とか一月間)の全口座の取引の履歴を含む譲渡債権の回収報告書と共に、回収額全額が送金されることを望む。
譲渡通知の故意による不通知と回収事務委託は、それを可能にし、債権譲渡により債権者になりながら、グレーゾーン金利を継続してとり続けられることに最大のインセンティブがある。
こうして27%そのままの違法に経済的利益を収受した。譲渡者の譲渡通知についていえば、領収書に記せば容易にできることから、なぜ法違反を続けていたかは、それ以外に理由は考えられようがない。
したがって、故意に貸金業法義務違反を続け、信託は不当に利得し続けたのである。
そして過払い債権が発生したら、信託を一部解約し、遡及効を伴わずに、それまで得た不当な利得を返還することなく、譲渡者に抜け殻だけ戻して責任を負わせている。その点で契約の解除とは大きな違いが生じる。その結果、SFCGにあっては、過払い金は2000年前後から信託が取り続け、SFCGに過払金債務を戻して、不当利得を返還することもしなかった。受領した不当利得は、毎月の信託決算で、毎月投資家に分配してしまい、信託には受領した利得は残っていない。もはや受益者に配当した利益は取り戻せないという。
他方、信託受託者は信託財産の2割程度にあたる劣後受益権を譲渡者であるSFCGが保有していたから、劣後受益権の配当で過払い金債権相当額を実質的に返還していたというかもしれない。しかしながら、戻される債権の超過金利の元本充当の引き直し前の残高は、劣後配当からネッティング(控除されて)配当額が決定され、譲渡者からの利益移転が計られている。すなわち劣後配当には、過払債権が不当に利得してきた金額の返金が含まれていない。
また信託財産は、超過金利支払いの元本充当引き直しや過払い金の発生で絶えず減少する。必要な信託財産を維持しなければならないので、必要維持額を下回ることのないよう、委託者には別の債権で差し替え義務が生じる。
数字を挙げて説明すれば、信託財産を金利引き直し前の債権残高で1000とし、優先受益権の金額を800、劣後受益権を200とする。信託財産の債権金利を年27%、優先受益権(投資家)の金利を3%、信託事務関連手数料や証券化の手数料などの総額を仮に年1%、過払い金債権(引き直し前残高)を4%、引き直し計算で元本の減少するなどを含む回収不能な債務不履行債権を4%とすると
月の信託財産に生じる金利収入 270÷12=22.5
月の優先受益権配当額 800x3%÷12=2.0
月の信託事務関連手数料 1000x1%÷12=0.833
月の過払い金債権 1000x4%÷12 = 3.333
月の債務不履行債権 1000x4%÷12 = 3.333
劣後配当計算前の月の費用合計 9.5 (=2+0.8333+3.333+3.333)
劣後配当額 22.5-9.5 =13
こうして不当利得の経済的な受益はは信託により収受されており、投資家に分配されており、SFCGが利得を得たわけではない。他方、借り手には未だ通知が出されていない。借り手は誰が真の保有者かも知らされていないから、過払金請求あるいは賠償請求したくても、訴えさえ出せない状況におかれている。
仮にSFCG破産手続きで、過払債権者は、SFCGの一般債権者として債権届出し、SFCGの残った破産財団だけを引き当て原資に限られた配当しか受けられないというのか。SFCGは、長年にわたり、過払い債務だけ負担させられ、不当利得の返金を受けておらず、利得を受けたのが信託であるにもかかわらず追求権を妨げられるとすれば、公平を欠いて扱われる結果となる。そうした計略された権利侵害が意図された結果をもたらす。そうした状況は当初から予見しうる範囲であるが、結果回避行動は受託者により何もとられていなかった。過払い金はSFCGに届け出るとして、過払い金相当額を信託に対して、共同不法行為につき、損害賠償請求を提起することはできるだろう。
SFCG管財人は、もし過払い金請求を信託財産に対して訴求できないというのであれば、受託者に対して、債権者に代わってあるいは利益代表として、返還請求を求めなければならない立場にあり、注意義務を負うのではないかと考える。
グレーゾーン金利と有効なみなし弁済にもとづく貸金債権は、ローン債権とそのなかに超過金利支払いによる元本充当によるローン債権額の減額請求権を内在した債権・債務が混在する性質の債権である。ローン債務者の意思表示により、ローン残高は相殺権の行使により随時ネッティングされる債権であり、相殺額(超過金利支払額)がローン残高を上回るとき、債権はすでに消滅してしまい、さらに過払い金が生じてしまう。結果、ローン債権の債権者は、過払い債務者となり、ローンの借り手は過払い債権者となる。ローンの債務者は、事実上、相殺適状にある相殺権を有しているとアナロジーされるような眠っているだけの形成権を有している。
債権譲渡は制限されていない。しかしこうした債権債務が一体化して分断できない不可分一体の性質の債権では、債権額が不確定であり、債権譲渡する場合には、両当事者はローンの債務者の権利を侵害しないよう金融機関としての最善の注意を要する。債権が消滅しておらず、存在するかの確認行為は、紛争を避けるためにも金融機関であれば必須の注意義務であり、過払い金が発生するような場合には、債権が存在していないのであり、譲渡不能の恐れが高い。譲受人は、債権者がどちらになるかわからないまま譲渡を受けて、コインの表がでたら譲渡が有効とし続け、裏がでたら、解除して戻せばいいというのは、債権者が消滅したローンの元債務者でその譲渡行為がなければ譲渡できないという法構造を利用して、過払債務だけを残したままに負けのないゲームをする場合には、債権譲渡によって、変動を受けて発生した損害については、客観的共同があって、連帯した賠償責任を提起することになるだろう。
』
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☆今日の一言☆
いろいろなご意見もあるかと思いますが,提言から「真実」が見えてくる事も多々あります。
ご参考になれば幸いです。
(今夜はこれで失礼します)
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追記:4月26日付
「mac様」より追記コメントがございますので,項目とリンクをご紹介させて頂きます。
併せてご参照下さい<(_ _)>
『 債権譲渡と過払金債権の移転の基本<続>
論点3 』
http://yuuki.air-nifty.com/go/2009/04/mac-8bc5.html#comment-36345258
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コメント
債権譲渡に伴い地位の承継が認められたトライトの随伴移転の判定基準の紹介として(SBIクレジットもあります)
http://loan0.jp/saikenjouto/
http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/hanreihtml/060829komento.html
投稿: mac | 2009.04.26 09:37
債権譲渡と過払金債権の移転の基本<続>
論点3
譲り受けた債権が、譲渡前に弁済があったことが譲渡後に判明し、譲渡時には、遡及的に債権が消滅し、存在していなかった債権譲渡の効力
債権譲渡の要件を議論しているが、これはそういう問題ではなさそうである。
譲渡契約成立時に、債権は存在したかしなかったのか。存在したのであれば、その要件は満たされ、議論の余地はない。
譲渡契約成立時点では、借り手がみなし弁済無効の主張をしていなければ、債権は有効に存在するという性質の債権なのか、それとも借り手の意思表示にかかわらず、引き直し計算すれば、理由のない弁済になるだけなので、債権は存在していなかったといえるか。
意思表示必要説は、時効の援用の起算日判例から、意思表示がなければ、みなし弁済が無効にされる理由がなさそうである。債権残高は援用があってから、遡及的に変更されるかに解される。
意思表示不要説は、ありえるだろうか。地方自治体の税金や国保など健康保険の未払い金の回収のため、債権者による代位権行使が可能な債権で、借り手の意思表示を待たずして、すでに権利関係(過払い金の発生)が成立していると考えられるか。この場合は、借り手が支払不能、債務超過にあって、経済的行為に関しては、意思表示不能な状況におかれており、債権者が借り手の地位に代位したと考えれば、訴えを提起した時点で、意思表示の推定が働くとも考えられる。
そのように考えられれば、債権は譲渡時に確かに存在しており、譲渡者はその事実を契約上表明保証し、買い手は、それを確認した。注意義務として、数千を超える小額の債権譲渡では、借り手まで任意弁済でしたかと確認する作業が求められるものではないだろう。
そうすると、譲渡者も譲受者にも落ち度がなかっし、騙そうとする悪意もなかった。経済取引には、故意や過失がなかったとし、債権譲渡はこの段階で、有効に成立し、効力を生じ、権利の移転(必要であれば登記や対抗要件具備行為)と代金の支払いが遅滞なく行われ、譲渡が完了した。
それを後になって、債権が実は遡及的に存在していないことになってしまったというとき、譲受人は、いったん有効に成立した法律関係について、譲渡の無効を主張しうるか。買い手は債権がいつ何時、借り手の意思表示で、債権額が変動する恐れのある性質をもった債権であることを認識して購入しており、譲渡者もそれを認識して、価格を決定して譲渡した。
したがって、譲渡契約の意思形成過程において、なんら瑕疵は見当たらず、無効原因はない。
そこで、予想しうる所定の後発的事象が起こった場合に、譲受人が契約を解除しようという解除権行使の契約上の合意の効力を範囲が問題になりうる。不当な行使であるか否か。
しかし解除の結果は、単に遡及的に存在していなかった事実を追認するだけのことであり、買い手はその損害の危険発生を引き受けていたに過ぎない。解除権が原状に復帰させ、取引がなかった状況にもどす効果をもたらとはいえ、相手に譲渡代金の返還請求を求める権利があるだろうか。買い手は譲渡時、債権額が借り手の意思により一部あるいは全部減額される恐れのある性質の債権であることを認識し、注意して、譲り受けたのであるから、譲渡者に対して、原状復帰の効果として返還請求や損害賠償まで求めることは、不当であろう。
特に、譲渡時点から借り手に数回の支払いがあったあとであれば、なおさらだろう。
また引き直し計算で元本の一部が減額されただけで、過払い金が発生していない場合には、特に定めがない限り、そのリスクを譲受人が負担することになるので、そのアナロジーで考えれば、過払い金発生の時だけ、譲渡無効と同様に、代金を返せというのは、解除の権利濫用ではないか。ただ譲渡後3ヶ月以内について、引き直し計算があった場合に減額された金額を補償するという譲渡者特約があれば、それは有効だろうが、譲渡後1年まで、借り手が12回の支払いを履行した後までも補償する経済行為が合理的かどうか(他に何か意図がないか)ありえるのか、疑問が残る。
そうすると、譲受人の解除権行使で債権が譲渡者に戻された場合の代金返金が発生しないとすれば、SFCGの債権届出において、債権として保護に値し、一般債権として認識し、届出を認めるかについては、管財人が争うべき債権だろう。
遡及的に譲渡債権が一部あるいは全部存在しなかったという危険は、譲受人が負担し、特約があればそれに従うとしても、過払い金が発生する債権についてはどうか。
ここで、債権譲渡や解除権から、不当利得が譲受人にあったかなかったかという要件論に争点に移ってしまい、譲渡時点では(なんら共謀もなく)譲受人は不当に利得できるような状況にないことが明らかであれば、責任を負担しなければならない正当な理由がない。
したがって、譲渡時において遡及的に債権の不存在が確認された債権の過払い金返還請求権は、譲渡者に対してのみ請求できる。ただ譲受人によって借り手の権利に侵害がある(共同)不法行為による損害賠償請求は、請求原因を別にする債権である。
投稿: mac | 2009.04.26 12:11
SFCG破産手続きで、債権譲渡と証券化と担保権が8割を占め、別除権扱いとされ、債務も一緒になくなるが、ほとんど破産財団に債権が残っていないという状況となる。残ある債権だけ譲渡されて、過払い金だけの負担を求められる破産手続きとなってしまっても、引き当て原資がない。
譲渡債権についての過払い金救済をどうしたらよいかが、弁護団の課題となってくるのは明らか。
上に上げたURLトライトの裁判所の見解(下のURL)が参考になる。
どうしてそんなに債権譲渡を債務承継が随伴すると読み替えて、不当利得の事実を求められる過払い金移転を追及するのか、法律構成に無理がある。それよりも、損害を与えた相手の受益の事実が不要となる、権利侵害による損害発生+故意・過失だけの不法行為の方が容易だろうにとおもってしまう。
http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/hanreihtml/060829komento.html
以下弁護士論考は、2005年以前で過払い金最高裁判決前のことなので、それほど参考になる点はないが、やはり債権譲渡での随伴にこだわっておられたが、最後に賠償請求に切り替えることがありえることが記されている。
茶木真理子弁護士「過払金返還請求に関する考察」
http://www.oike-law.gr.jp/public/oike_19/chaki.pdf
レタス、SFCGだけでなく、今後債権譲渡+破産で過払い金切捨てが清算の方法として定着するだろうから、今回のSFCG事案が参考になるだろう。
切捨てが成功すれば、ネオさんが新設会社をたてて切り捨てを経営戦略として導入されるか。
投稿: mac | 2009.04.26 14:00
mac様
こんばんは。いつもありがとうございます。
追記として項目をリンクにてご紹介させていただきます<(_ _)>
先ずはお礼まで。
投稿: yuuki | 2009.04.26 22:05
Thanks for article. Everytime like to read you.
Charlie
投稿: Charlie | 2009.04.27 15:00