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2009.05.05

■過払い金減額への対抗策は?「会社は苦しい」は本当か,「減額要求と無銭飲食」,「会社法第429条」への言及・・・(「馬上行動 山田冬樹の部屋」様ブログ)

‥‥……━★

こんばんは。

先日来,大変有用な情報を発信されています「馬上行動 山田冬樹の部屋」様から,過去記事も含めまして慎んでご紹介させていただきます<(_ _)>

下記のそれぞれのリンク先にて「原文」をご参照下さいませ。

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過払い金減額を主張する業者がいう「今うちの会社は苦しい」は本当か

(「馬上行動 山田冬樹の部屋」様 4月7日付よりご紹介)http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090407/1239078680

『 業者の弁解

 過払い金の支払いを値切ってくる業者とは、次のようなやり取りになることが多い。

  • 業者:うちは経営が苦しくて、このくらいしか払えないんです。回収した金額から、過払い金を払っている状態で。
  • 当方:キャッシュフローはそうかもしれないけど、内部留保とかもあるんじゃないんですか。貸借対照表を見せてもらわないと、はいそうですか、とは言えないですよ。
  • 業者:私ら一介の社員で、貸借対照表なんか、見れる立場ではないですから。
  • 当方:それじゃ、こっちも判断できないじゃないですか。
  • 業者:うちもリストラで、給料も下がっていますし、上のほうも資金繰りで苦しんでますから、会社自体厳しいことは従業員自身がよくわかっていますから。
  • 当方:それじゃあ説明になっていないでしょ。
  • 業者:だからこちらもお願いしているんです。
業者のいう「だからこうしてお願いしているんです」の意味

 貸金業者は、今でこそ「キャッシュフローがマイナス=入ってくる金より出ていく金が多い」状態かもしれないが、以前にもうけた分の内部留保を抱えていることが多い。赤字でもないのに赤字だと言って、こちらに債権放棄させることは詐欺利得罪にあたる。だから彼らもいい加減なことは言えない。言えないから「だからお願いしているんです」と曖昧なことしかわざるを得なくなる。

 上場企業なんかだとホームぺージにIR情報と言って、貸借対照表が載っている。貸借対照表は別名バランスシート(B/S)ともいう。要は資産はどのくらいあって、負債がどのくらいかあるかが、表になっているものだ。これを見ると結構金あるじゃないということがある。

 あと最近インターが株式非公開化を目指し、TOB(公開買付)で自己株式を買い集めた。買付価格は1株につき175円。買付価格は、(資産-負債)÷発行済み株式総数を基準に算出するのが普通だから、なんだ1株当たり175円も黒字だったんじゃない、ということになる。

 さて、それ以外のB/Sをまったく公表していない貸金業者についてはどう判断するのか、一つは帝国データバンクとか東商リサーチとかいった企業情報を持っている会社から金でデータを買うというのが一つ。もう一つは、貸金業の更新時期を調べ、それ以前の事業年度は黒字になっていることがわかる。現行の貸金業法施行規則5条の3により、「資産の合計額から負債の合計額を控除した額」が法人の場合500万円、個人の場合300万円なければならず、同規則4条3項8号によれば貸金業登録ないし登録更新の際に、直近の貸借対照表を提出しなければならないのである。だから貸金業登録していれば、少なくとも登録時ないし更新時に法人なら500万円、個人なら300万円黒字だったはずなのである。

 もし今赤字になっているということであれば、貸金業法24条6の4第1号、同法6条1項14号により、監督官庁貸金業登録を取り消すか、業務中止を命ずることができることになる。

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減額要求と無銭飲食

(「馬上行動 山田冬樹の部屋」様 5月3日付よりご紹介)http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090503/1241366315

減額要求の新たな問題点

 最近過払い金に対して減額を要求する金融業者が増えている。しかしここで問題になるのは「将来過払い金を100%返す気もないのに、毎月返済を受けていること」の違法性である。

 以下の考えは私の試論である。意見があればお聞かせいただきたい。

札幌高裁判決

 平成19年4月26日付札幌高裁判決は、「利息制限法所定の利率によると借主の債務が完済となっているにもかかわらず、存在するとの虚偽の事実を主張し、期限の利益喪失条項を用いて支払を強制するのは、架空請求であり、不法行為が成立する。」とした。しかし上記のような減額要求業者はこれより性質が悪い。

無銭飲食と減額要求業者

 500円しか持ち合わせのない人が、すし屋に入って3000円の特上にぎりを頼んだら、どうなるか。いわゆる無銭飲食であり、詐欺の現行犯として、即刻警察に逮捕される。それでは、返済する意思も、返済能力もなく、最初から踏み倒すつもりでお金を借りたらどうか。当然詐欺になる。

 となると、1割、2割しか過払金を返済できない貸金業者が、完済した債務と分かって、返済を受け続けるのは、札幌高裁の事案にくらべより違法性が高いといえよう。払えないと分かっていて、金を借りているのと同じで、詐欺行為と言っても良いのではないか。詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役だが、詐欺行為を集団的に行うとすれば組織犯罪法で1年以上の有期懲役に刑が加重される。

考えられる反論、そしてそれに対する再反論

 こういう主張をすれば、おそらく業者は過払いになっているとは思わなかった、と主張するだろう。

 しかし未必的故意という概念がある。たとえば、ある人が他人に毒入りのコーヒーを飲ませ、相手が死亡したとする。この犯人が「この程度の量の毒なら死ぬだろう」と思っていれば、殺人の確定的な故意があるので殺人罪になる。しかし「この程度の量の毒では死なないだろう」と思っていたのであれば、傷害の故意はあったが殺人の故意はなかったといえ、傷害致死になるにすぎない。それでは「この程度の量の毒でも死ぬかも知れないし、死なないかも知れない。でも死んだら死んだで構わない」と考えていたとしたら、どうか。刑法学上、これを「未必の故意」と呼び、かかる故意ありとすれば殺人罪になる。

 「この借主は過払いになっているかもしれないし、なっていないかもしれない。仮に過払いになっていたとしても構わない。」となれば未必的故意があるのではないか。

 仮に未必的故意がかなったとしても、重大な過失があるとはいえまいか。そうなれば不法行為が成立する。

取締役自身の不法行為責任

 会社法第429条1項は「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」とあり、役員についても、損害賠償責任を生じる余地があると言って良い。

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ネットカードの過払い金減額和解をはね返す方法

(「馬上行動 山田冬樹の部屋」様 5月4日付よりご紹介)http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090504/1241428433

ネットカードの和解案

 ネットカードから和解案が提示された。利息抜きの過払い元金の2割程度の金額を払うという。担当者が、これがぎりぎりの線だというので、私が「ギリギリと言えるだけの証拠を見せろ」と言うと、担当者は「書面を送るからそれを読んでくれ」とのことだった。

送られてきたファックス

 その日ネットカードの債権管理セクションからファックスが送られてきた。そこには、2割しか払えない理由を、次のとおり延々書き連ねてあった。

  • 07年8月GMOインターネット連結子会社だったが、連結を外され、同社からの援助が得られなくなった。
  • GMOからの緊急融資56億円を返済するめどが立っていない。
  • グレーゾーン金利撤廃等の実施を控え、銀行からの融資が十分得られない。
  • 07年10月貸付業務を廃業
  • 過払い金の返還請求額は減少の気配を見せず、高水準で推移
  • 07年末には過払金返還自体が困難な状況に陥った。
  • 08年2月には全国7営業店と渋谷本社を閉鎖、本社に統合し、社員数も3分の1に減った。
  • 弊社の経営も危機的な状況に陥り、事業の継続に困難を伴う状態になってきている。
無銭飲食理論を利用

 上記のファックスでは「07年末には過払金返還自体が困難な状況に陥った」とある。実は、こちらに有利な証拠となる。まさに、5月3日のブログにも書いた「無銭飲食理論」を使えるからである。

 すなわち、ネットカードは「平成19年末には過払い金返還自体が困難な状況に陥」ったのだから、この時点で過払状態にある借主から返済金を受け取るべきではない。返済意思も能力もないのにお金を借りるのと同じであり、また、500円玉しか財布にないのに、すし屋に入って3000円の特上寿司を注文するようなものである、と主張できるのではないか。そうなれば、ネットカードのかかる返済受領行為は、不法行為を構成する。

 ネットカードは「過払い状態になっているとは知らなかった」と言うだろうが、調べればすぐに分かる話であり、全額返せなくなった時点で全債権を調査すべきであった。にもかかわらず漫然と返済を受け続けてきたのであるから、少なくとも重大な過失がある。となれば、当然役員も並んで不法行為の責を負うべきである。

はね返せるか

 まだ訴訟を起こしていないので、実際この方法で減額和解をはね返すことができるかどうかはまだ不明だ。

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☆今日の一言☆

上記をまとめますと以下の可能性を示唆されています。

①「過払い金」総計>純資本金 →(貸し金業の取り消し,中止)

『貸金業法24条6の4第1号、同法6条1項14号により、監督官庁が貸金業登録を取り消すか、業務中止を命ずることができることになる』

②「完済した債務と分かって返済を受け続ける場合」→(詐欺罪+組織犯罪処罰法)

『1割、2割しか過払金を返済できない貸金業者が、完済した債務と分かって、返済を受け続けるのは、札幌高裁の事案にくらべより違法性が高いといえよう。払えないと分かっていて、金を借りているのと同じで、詐欺行為と言っても良いのではないか。詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役だが、詐欺行為を集団的に行うとすれば組織犯罪法で1年以上の有期懲役に刑が加重される』

③「過払い状態になっているとは知らず・・・漫然と返済を受け続けてきた」→(不法行為)

『取締役自身の不法行為責任
 会社法第429条1項は「役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」とあり、役員についても、損害賠償責任を生じる余地があると言って良い。』

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「ネットカード」ばかりではありませんね(^^;)

ここのところ「過払い金」の値切り攻撃に対して,何か「勇気」をいただいた気がしませんか?

暗夜に「光」がさした方も多いと思います。。。

「山田冬樹」弁護士様に感謝です!

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当ブログでは,右上に下記のリンクを掲示させていただいております。

■お知らせ:過払い金の「未払い」は何処にどんだけ~?・・・「過払い金の未回収額」の集計センター設置。http://yuuki.air-nifty.com/go/2009/02/post-28e1.html

現在新規のコメントが現れず,なかなか更新も出来てない状況です。

そこで,これまでは個人の方専用にと思っていましたが,こん回を契機に「未払いの過払い金」の存在がある方全ての集約にさせていただこうと考えました。

名前もシンプルにさせていただきます。

■お知らせ:過払い金の「未払い」は何処にどんだけ~?・・・「過払い金の未回収額」の集計センター設置。

■お知らせ:過払い金の「未回収額」集計センターの設置。

なお「SFCG」の2100億円も含めて,今回ネット上で見かけた範囲についても追記させていただきます<(_ _)>

つきましては,ご連絡がありましたら反映させていただきます<(_ _)>

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連休明けは,金融庁・警察等に苦情が多くなるかも知れませんね。。。

(今夜はこれで失礼します)

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

サイト運営し始めた者なんですが、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://hikaku-lin.com/link/register.html
こちらより、相互リンクしていただけると嬉しいです。
まだまだ、未熟なサイトですが、少しずつコンテンツを充実させていきたいと思ってます。
突然、失礼しました。
sMoHfKpG

投稿: hikaku | 2009.05.05 11:18

言いたいことはわかりますが、所詮過払い金は取り戻して何ぼのもんでしょ?貸金業者が過払いを払えるのは、いまだに利限法超過債権の弁済を受け続けているからです。
貸金業者が過去全ての債権について引き直しを行ったら、ほぼ全ての業者は債務超過になり過払い金など払えないはずです。過去の利益は既に納税されていますから。それこそ国が税金という名の不当利得を得ているのではないですか?
ちなみに過払い引当金は有税なんですよ。

おとなしく29.2%で返済する人がいるからあなたの請求した過払い金が帰ってくるのです。

貸金業者の受領金銭が不当利得であるならば、
その利得は払った人(過払債権者)に平等に返還されるべきではないでしょうか?
返還原資は限られているのだから、返還請求した人だけがもらえるというのは不公平ではないですか?弁護士は依頼人と自分さえ儲かれば他の人はどうなってもいいのですか?


投稿: あかり | 2009.05.05 15:48

今回、SFCG管財人が担保設定された866億円の営業債権について、被担保債権がないことを理由として、元本総額の30%の価額支払いを求めて訴訟した。
債権額の70%も切り捨て、259億円請求したに過ぎない。
管財人が残りの70%の606億円の価値がないと判断している。
すなわち引き直し計算してしまったら、3割しか残らないと言うのは、凡そそそんなもの。
過払い金に返金原資はなくなるのはいうまでない。

投稿: 現実 | 2009.05.05 16:56

hikaku様

他の多数ブログに同じ書き込み内容が散見されます。つきましてはあしからず。なお当ブログのリンクはフリーです。

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あかり様

ご訪問ありがとうございます。

当初より「利息制限法」以下で貸し付けされていれば,今回のような諸問題は生じておりません。

なお,
>貸金業者が過去全ての債権について引き直しを行ったら、ほぼ全ての業者は債務超過になり過払い金など払えないはずです。

この場合,金融庁への純資産報告が「虚偽」にあたる可能性が出てきます。金融庁等は再度「純資産の報告」を見直す必要があると思われます。

>貸金業者の受領金銭が不当利得であるならば、
その利得は払った人(過払債権者)に平等に返還されるべきではないでしょうか?

平等は生存している方には間に合います。しかし既に過払いであったのに「自殺された方・ご家族」に対しては,取り返しがつかない事であり,とても不平等と思います。

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現実様

ご訪問&コメントありがとうございます。
またご推察ありがとうございます<(_ _)>

(今夜はこれで失礼させていただきます)

投稿: yuuki | 2009.05.06 00:31

虚偽かどうかの判断は、会計基準にしたがう。違いますか。金融庁は、「一般会計原則」に従って認識される会計処理に反する見解をだすことはできない。違いますか。
上場貸金業者の会計認識は、引きなおし計算されておりません。違いますか。
引き直せば、債務超過は確定的であることはあきらかであっても、それを債務超過とも虚偽ともみなしておりません。
虚偽となれば、投資家からの損害賠償請求も受けるが、公認会計士も共同責任を問われる。
違いますか。
そして大手全部の公認会計士が賠償で破綻する。
もし金融庁がそういう判断をしなければならないにもかかわらず、していないとすれば、過失ですみません。国家賠償責任を問われるでしょう。
実際にそのような行政処分をしたいなら、会計基準から変更する必要がある。
違いますか。
したがって、そのように主張される根拠がありません。

投稿: mac | 2009.05.06 00:57

最大のいかさまは、完済債権について必ず生じる過払い金について、クレディアでもアエルの債権届出においても、知れたる債権者として、認識されず、通知が出されなかったという裁判所の政策決定がある。
レイクGEコンシューマーの買収にあたり、また他の買収に関連し、完済債権を含めたくないから、残高ある債権のみしか購入できない。完済債権からの過払い金を含めたら、即座に債務超過に陥る。5割の引当金が詰まれていようとも。
現在、過払い金を受け取るのは、たった年10~14%程度、債務整理する借り手で過払い金が発生する人たちであり、超過金利を払い続け、完済しても過払い金請求を事実上放棄してしまった人たちの眠って行使されない権利の犠牲の上になりたっていることを認識しなければならない。
クレディアは手続き申請した半年前、20万件の口座があったが、申請後14万件にまで減っている。完済口座を含めると60万件あったと報告されている。
完済債権は手続き上、知れたる債権者となるが、通知さえ出さなかったし、その判断に対して、弁護団は届出をするよう求めることはなかった。そのおかげで4割の配当が得られたではないか。
アエルでも、完済口座を含め100万件と言われた口座(近時完済だけの20万件を対象)に知れたる債権者通知を出すかどうか裁判所では話し合いがもたれた。しかし、郵便代、事務手数料だけでも数千万円ですまないこと、配当できなくなるので、やめた。弁護団も事実上それを支持した。
三和ファイナンスの第一回破産申立てにおいて、弁護団は、4000万円の予納金をつんだ。手続きの事務手数料のために。これも20万件出すとしたら、4000万円では足りず、無視を決め込んだことを意味する。

本来、破産裁判所は、公平・平等に扱うべきであり、知れたる債権者通知をだしたら、過払い金債権者の掘り起こしになることを避けるべきではなく、届出させるべきではないか。
そして、債権者の配当は、ゼロに近い1%程度になるのかわからないが、そうすべき結果となる。
一部の債権者だけが40%得るというのは、無知に乗じて、明らかに公平を欠き、平等ではない。
無知を犠牲にして、一部の届出したものだけが、利得できるというのが、破産法の目的ではないはずだ。
なぜこんな方針がまかり通っているのか。

重大な疑問は、支払い能力があるものが、払える限り、超過金利を払い続けて、順次、過払い金を受け取る。この制度自体が誤りであって、引き直し計算を強制して、今すぐに全部の貸金業を破産申請させ、分配金を1%払って終わりにすべきだろう。

いつまでも偽善を続けるのだろう。破産法の原理と理念どおりにすればいい。

投稿: mac | 2009.05.06 01:17

mac様

いつも貴重な情報ありがとうございます。

先ず「会計」については,コメントをいただいた通りと勉強できました。
ただ,一般人の考えて恐縮ですが・・・過払い金はよく「利息返還損失引当金」としてよく聞きます。

日本公認会計士協会HPよりご参考まで

「消費者金融会社等の利息返還請求による損失に係る引当金の計上に関する監査上の取扱い」http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_92.html

消費者金融の資産が一体いくらあるのか?黒字か赤字か?
上場会社はさておき,その他は分からないのが現実的かと思います。

その為,未払いの「過払い金」だけでもどれ位あるのかがキーポイントになってきます(三和Fの例もあります)

その額が何億もあり,純資産より多ければ当然に虚偽の報告をしたことになります。申し立てがあれば行政機関ですから,金融庁(各財務局)は検査をする必要が出てきます。

金融庁(各財務局)には,それぞれの金融会社別の担当者が決まっているようです。
この為,金融庁等へ根拠のある資料を添付して「調査申立」等をすれば,真実かどうかの調査が開始されるようです。。。

破産法上の事については「裁判所」のご判断になりますので,本当によく分かりませんね???

ただ以前,伊東弁護士様HPでも言われていますが,過払い金の支払いが出来ない事は「破産申立事由」に該当するとありましたが・・・。

先ずはお礼まで。

投稿: yuuki | 2009.05.06 13:42

社会の仕組みの基本勉強ができていません。
その程度の常識を欠いた知識では業者側には、相手にされません。
上場企業でなくとも外部のノンバンクなどから借り入れ金があれば、会社の作成する財務報告書(BS及び損益計算書)は、外部の公認会計士による会計監査をうけ、継続企業として問題なしとの意見を含む監査報告がつけられる。資産100億円以上であれば、お友達の独立会計士を雇っても、会計士が財務報告書の正確性を担保するが、引き当て金はあまりに重要で、当然調査項目になる。
規模が小さくても、納税申告にあたり、会計帳簿を作り、税理士が確認を入れる。したがって、税理士と共謀がない限りは、虚偽の報告はありえない。税理士は免許剥奪のリスクまで抱えて、そこまではしない。
金融庁は、公認会計士でもなく、公認会計士業でもなく、会計を監査する機能も権限もない。監査意見があれば、それに従えば、財務局の調査義務は免責される。税理士にしろ、同様で、専門家の意見があって誤りを主張する場合には、証拠を押さえ、裁判を辞さない構えとなる。なぜなら行政不服申し立てされるから、誤れば、責任者は官僚として、罰点がつくだけではすまない。
証券取引法は、会計士が監査した意見を入れている開示説明についてのまで、証券を引き受け販売する証券会社に責任が及ぶかについて、明らかに誤りとわかる場合を除いて、一般に忠義義務責任を免ずる。
それが社会の仕組みというもの。

ちなみに、破産事由とは、
1 債務超過(資産<負債+資本
2 支払不能
のいずれかを債権者申立人は証明しなければならない。
支払い不能かどうかは、申立て債権額に対して、十分な現金相当額を有しているかで見極めできる。
債務超過ではないとの証明は、申し立てられた会社がすることで、申立人では、相手の財務(財産負債目録)を詳細に知らないので、証明しようがない。
今回、SFコープについては、弁護団は、完済債権から生じる潜在的な過払い金について払える能力がないという主張をしている。引き直し計算すれば、資産が3割以下になるから、当然だろう。しかしSFでは、証券化を払い終わって、負債がないから、債務超過にすらならない。
15億円程度の申立て債権に対する支払能力は、議論のない小さな金額にすぎない。
さて、問題は、支払拒絶は、破産原因になるか。支払い不能を推定させるが、支払い不能ではないという証明をSFがすればいい。
3月24日、破産審尋が数回。5月中にさえ、決まらないという状況。
支払い不能事由は消されただろうと見られる。債務超過は、完済債権全額からの過払い金を払えられないなら債務超過とする評価法が採用されたら、大手上場貸金を含め、破産申請があれば皆さんが倒産になる。

投稿: mac | 2009.05.14 15:50

mac様

お久しぶりです。
今回のコメントはとても分かりやすいです。ご解説ありがとうございました<(_ _)>

また,別の記事と併せてご紹介させていただきます^^;

遅くなりましたがお礼まで。

(今夜はこれで失礼します)

投稿: yuuki | 2009.05.15 00:25

過払い引当金とは何か。

A. 貸し倒れ引当金とは何か、わかりますか。
どのように「合理的に推定」されており、公認会計士が監査基準や会計基準に合っていると判断するか。
ある会社の貸付資産が1000、過去3年の貸倒れ実績が、
ケース① 毎年残高比8%で安定しており、残高もその間、変わらない。
無税引き当てであれば、80億円の範囲であれば、税務署は認めるでしょう。
ここでは監査基準ではなく、貸し倒れを費用として認識を求めてもらえる税務基準になる。
監査人も、実績値、貸付残高も維持され、ともに長期間の安定があるから、それでよしとするでしょう。

ケース② 残高は変わらないが、平均貸倒率も8%だが、6%、8%、10%と上昇していた。
通常人であればする相当の注意を持った合理的推定であれば、10%を目安となるでしょう。

ケース③ 貸倒率は8%だが、残高が、50、100、1000と増加した場合、
これはどういう貸付が増加したか与信方針から見えないので、合理的予測が不能となる。
たとえば、他社の貸付債権を債権譲渡で購入したようなケースでは、どうか。
それまでの貸付債権とは中身が違うので、過去実績では予想がつかない。譲渡されても、すぐに貸し倒れは発現しない。しかし購入した債権の実績値があるので、それを参考に引き当てることになるだろう。

ケース④ 貸倒率は8%だが、残高が、5000、3000、1000と減った場合
この場合には、8割の債権が完済されてしまった。残った債権についての貸し倒れリスクは、なぜ返済できていないか、信用が足りない先かもしれないし、約定どおりかもしれないので、完済が8割なのか、全債権が一律8割減少したかの調査が必要。

ケース⑤⑥ 貸倒が、6%、8%、10%と増加し、貸金残高が変動している場合。(増大及び減少のケース)
ケース⑦⑧ 貸倒が、10%、8%、6%と減少し、貸金残高が変動している場合。(増大及び減少のケース)

結論
見積り額は、過去の実績値からの、合理的推定に過ぎない。さまざなま想定をおいて、推定する。上記では、残高予想しか入れてないが、失業率、離婚率、死亡率、景気指数、ドル為替レート、石油価格が推定をするに仮に関係するのであれば、損失発生確率を計測するためのストレス係数として使うことになる。

合理的推定とは、完全に起こりえる金額をカバーできるわけではない。
見積もりが足りなかった結果になったからといって、債務超過になるわけではない。


B 過払い金引当金とはなにか。

上記ケースに①で、過払い金実績が毎年3%で安定しているとする。(過払い金は貸倒が安定していれば、安定する。過払い金が増えれば、その分、貸倒損失も増える。)
会計士が、5年分としたら、30x5=150億円、貸付金残の15%。

これでわかっただろう。
過払い引当金は、貸し倒れ引当金と同様に過去実績から合理的に起こりえる水準を推定されるものであって、将来発生しうる潜在過払い金を全額カバーするための引当金がつまれるわけではない。
結果的につまれなくても、監査時点で、債務超過とはいえない。

会計についてどこから誤解が生じたか知らないが、重大な誤解がある。完全に潜在過払い金をカバーする金額が積まれているという基準ではない。

合理的推定が最もできないケースとして、ケース④の残高が急減する場合となる。
なぜなら、残高が安定すれば、貸倒率と共に、過払い金も予測しやすいが、残高が減少するとは、急激に完済されて潜在的に過払い金が発生したリスクが高まっているからである。
ある社会的現象で、急に申請が起こることもありえる。

具体的には、破産申立てを受けたある貸金業者のケースを考えて見よう。
消費者ローン残高の推移
2005年末  1550億円
2006年末  1450億円
2007年末   870億円
2008年6月末  635億円
2008年末   300億円  

2年間足らずの間に、貸付資産の8割の1000億円以上が完済された。
直近2年に発生した(潜在)過払い金債務が、相当な金額になる。
過払い金引当金は、通常、残高増減がないことを想定して、合理的に推定されるだろうが、
これだけ完済が増えて、残減していると、もはや過払い金が3割程度ですむかどうか、合理的推定方法はない。
減少額x3割として
1200x30%=360億円
を積んでなければ、債務超過と言えるのではないか。大手貸金は、通常の状況で、3割以上積んでいる。
しかし会計基準で、3割必要という従うべき基準はない。

1. 過払い金引当金が、貸付金300億円に対して、30億円しかつまれていなければ、どうか。
2. 過払い金引当金を積んでいない。しかし全部、証券化などの手法により、投資家に貸付資産を完全に譲渡し、オフバランスしている場合は、不要だろうか。

1は明らかに足りない。過払い金を考える基準は、現時点の残高ではなく、払われた金額を考慮しなければならない。

こうしたケースでさえも、一般認定された会計基準が無い以上、債務超過を推定することができない。金融庁は、債務超過を認定する監査権限も持っていないし、業務処分をする法的根拠、権限を有していない。
だから放置され、悪用される。倒れたときには、何も残っていない。
しかし破産裁判所は、それでも債務超過を認識できないのかもしれない。悪用者に、会計制度が付いていっていない。

2 もし第三者に過払い金の債務引受を含めて信用リスク移転しているのであれば、リスク評価は、その第三者が損失担保できる保険力にかかってくる。債務超過の認定は、その保険力如何となる。

投稿: mac | 2009.05.15 09:55

過払い引当金の合理的推定とは

通常、企業が継続して存続する以上、残高が維持されるという前提に立つ。残高の減少が無ければ、過払い引当金は、現在残に対して、何%という基準で積んでも、継続企業価値を考えれば、不合理とはいえないかもしれない、 

残高が急減するような場合の引当金はどうあるべきか。
その前に、過払い金の性格を考える必要がある。過払い金は、過去においてすでに受領して、消滅した債権部分に対して返還義務が生じるものであり、減少した後の、残高を基準に考えることは不合理となる。
すなわち、上記例で完済された1200億円に対する過払い金こそ、考慮すべきと考えれば、現在の残高に対して、何%はあまりに少ない額となる。
 仮に2割必要だとしたら、300x20%=60億円ではなく、
現在残に対して2割と直近返済された元本x2割の合計値が適当となる。
60+1200x20%=300億円 
すなわち、元々減る前の残高1500億円に対する引き当てが必要だということで、過払い金は将来の問題ではなく、払った過去の代金の返還になるから、当然といえる。

したがって、極端に少ない金額であり、債務超過が認定されるべきケースだろう。こうしたケースでは初めてであり、申立て権者がどのように弁論されるか、(今後の動向を考えると)注目が集まろう。
破産決定を得るためには、こうした資産の急減の事情を説いたうえ、大手公認会計士法人の鑑定意見を提出したら、裁判所も依拠できるだろうと考える。破産裁判官は、会計を専門としていないので、資料が無い限り、支払い不能でない限り、評価にかかる債務超過認定することを躊躇するだろ。
外部会計監査人意見は、こうした資産の急減のケースが無かったことから、そうした想定で引当金を積んでおらず、類似参照事例がないから、参考意見を得る必要がなる。

投稿: mac | 2009.05.15 18:19

mac様

一読では難しい解説や分かりやすい解説も併せてありがとうございました(^^;)

そういえば,三和ファイナンス時代からmac様と三和マネー関係で,「資産は在る!?」という前提から始まったような気がします(^^ゞ

現状を見るとその通りのようです・・・三和Fは形は変えてもまだ「破産」されていないですからね。。。

また後ほど,未消化ですが・・・UPさせて頂きます。

先ずはお礼まで<(_ _)>

投稿: yuuki | 2009.05.15 23:01

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