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2009.12.04

■平成21年12月4日最高裁判決(ライフカード判決)・・・会社更生前の過払い金は「信義則違反・権利乱用」でない!?(追記)

‥‥……━★

こんばんは。

臨時国会も終わり,郵政民営化の株式も凍結と国会で決まりました。

これで自民党時代が名実共に終わった気がしますが・・・。

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さて,本題です。

本当に週末は最高裁からの「不当利得」の判決が多いです。特に1~2週なので注目していました。夜にUPされたようです。

内容は・・・「ライフ」の会社更生法以前も含めて闘っている方には,今回残念な判断になりました・・・。

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■最高裁HPより

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=38226&hanreiKbn=01

事件番号平成21(受)319
事件名不当利得返還等請求事件
裁判年月日平成21年12月04日
法廷名最高裁判所第二小法廷
裁判種別判決
結果その他
判例集巻・号・頁

原審裁判所名大阪高等裁判所   
原審事件番号平成20(ネ)1825
原審裁判年月日平成20年11月20日

判示事項
裁判要旨更生会社であった貸金業者において,届出期間内に届出がされなかった更生債権で
 ある過払金返還請求権につきその責めを免れる旨主張することが,信義則に反せず,
 権利の濫用にも当たらないとされた事例
参照法条
全文

全文  →     http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20091204162754.pdf 

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以下PDFより抜粋ご紹介(原文は上記リンク先にてご確認下さい)

 4 (1)  前記事実関係によれば,管財人等は,本件更生手続において,顧客に対し,過払金返還請求権が発生している可能性があることや,更生債権の届出をしないと被上告人が当該更生債権につきその責めを免れることにつき注意を促すような措置を特に講じなかったというのである。

 しかし,更生計画認可の決定があったときは,更生計画の定め又は法律の規定によって認められた権利を除き,更生会社がすべての更生債権につきその責めを免れるということ(以下「失権」という。)は,更生手続の根本原則であり,平成14年法律第154号による改正前の会社更生法(以下「旧会社更生法」という。)においては,更生会社の側において,届出がされていない更生債権があることを知っていた場合であっても,法律の規定によって認められた権利を除き,当該更生債権は失権するものとされており,また,更生債権者の側において,その責めに帰することができない事由により届出期間内に届出をすることができず,追完もできなかった更生債権についても,当然に失権するものとされていた。以上のような旧会社更生法の規定の内容等に照らすと,同法は,届出のない更生債権につき失権の例外を認めることが,更生計画に従った会社の再建に重大な影響を与えるものであることから,更生計画に定めのない債権についての失権効を確実なものとして,更生手続につき迅速かつ画一的な処理をすべきこととしたということができる。

 そうすると,管財人等が,被上告人の顧客の中には,過払金返還請求権を有する者が多数いる可能性があることを認識し,あるいは容易に認識することができたか否かにかかわらず,本件更生手続において,顧客に対し,過払金返還請求権が発生している可能性があることや更生債権の届出をしないと失権することにつき注意を促すような措置を特に講じなかったからといって,被上告人による更生債権が失権したとの主張が許されないとすることは,旧会社更生法の予定するところではなく,これらの事情が存在したことをもって,被上告人による同主張が信義則に反するとか,権利の濫用に当たるということはできないというべきである。そして,このことは,過払金返還請求権の発生についての上告人らの認識如何によって左右されるものではない。

 (2)  前記事実関係によれば,被上告人の保全管理人は,新聞紙上に「ライフカードは,これまで通りお使いいただけます。」という見出しで本件社告を掲載し,従前どおりの取引を継続するよう求めたというのであるが,本件社告は,カード会員の脱会を防止して会社再建を円滑に進めることを目的として行われたものであって,その目的が不当であったとはいえず,その内容も,顧客に対し更生債権の届出をしなくても失権することがないとの誤解を与えるようなものではなく,その届出を妨げるようなものであったと評価することもできない。そうすると,本件社告が掲載されたからといって,被上告人による失権の主張が信義則に反し,権利の濫用に当たるということはできない。

 (3)  さらに,前記事実関係によれば,約定利率により計算をした元利金の残債権額をもって顧客との間の金銭消費貸借取引を管理していた被上告人が,これを前提としてその評価がされた営業資産をもって,資金を調達することができたことや,過払金返還請求権を更生債権として届出する者がわずかであったということが,会社の早期再建に寄与したということはできるものの,このような事情があったからといって,上記の判断が左右されるものでもない。

 そして,他に,被上告人による失権の主張が,信義則に反し,権利の濫用に当たると認められるような事情も見当たらない。

 (4)  以上によれば,被上告人において,上告人らの過払金返還請求権が失権したと主張することが,信義則に反するとも,権利の濫用であるともいえない。これと同旨の原審の判断は,是認することができる。論旨は採用することができない。

 5  上告人らは,不法行為に基づく損害賠償請求に関する部分についても上告受理の申立てをしたが,その理由を記載した書面を提出しないから,同部分に関する上告は却下することとする。

 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 竹内行夫  裁判官 今井功  裁判官 中川了滋  裁判官 古田佑紀)

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☆今日の一言☆

この原審は過去にご紹介した中にはない?大阪高裁判決のようです。

最新は「兵庫県弁護士会」様HPを見ると,今年の3月25日ですからその以前の判決が出ていた事になります。

●090325 大阪高裁 ライフ 会社更生http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/hanreihtml/090325.html

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残るは・・・「不法行為」でどうかのようです。。。

また記事がありましたら追記にて・・・。

(取り敢えずこれで失礼します)

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(ご参考)

追記:12月6日

現状の「ライフ」に関しての「過払い金返還状況」や,その他の有用な情報がございますので是非ご参照下さい<(_ _)>

ライフ・過払い訴訟
(「過払いNAVI(千葉)」様ブログ 12月6日付)
http://blog.livedoor.jp/kabarai11/archives/1982322.html

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