■年金型保険は長年に渡り国が「二重課税」していた!・・・(最高裁で国側が女性に逆転敗訴!今後の「過払い金」の手続きは?)(追記3:所得税は5年を遡って救済へ!+α)
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こんばんは。
大相撲名古屋場所の生中継は,NHKの英断?で取り止めになりました。
賛否両論で楽しみにされているお年寄りも中には多いかと思いますが・・・「暴力団?」関係の事が未だハッキリしていない事もありますから。。。
ダイジェスト版は放送されるようですので,そちらを楽しみにですね!
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さて,本題です。
今日,最高裁は「ご婦人」に「一本勝ち」を与えました。(当たり前の事が当たり前に判断された!?)
これは1人の女性の問題だけでなく・・・数百万人ともいわれる方に影響が及ぼす「近年まれに見る判決」となりました。
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■二重課税、国に「ノー」訴え届く 勝訴の主婦
(「47NEWS」様よりご紹介)http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010070601000747.html
『
「大切な人を亡くしてもらうお金。1円だって無駄にしたくない」。年金形式の生命保険金に対する所得税の課税を違法として取り消した6日の最高裁判決。夫の急死から間もなく8年。相続税との「二重課税」に、一人でノーを言い続けた長崎市の主婦(49)の訴えが届いた。
電気工事業を営む夫が41歳で亡くなったのは2002年10月。年金特約付きの保険に加入してから6年しかたっていなかった。娘2人は未成年。保険会社の担当者から「一時金と年金、受け取る際に違いはない」と説明を受け、将来に備えて保険金の一部を年金化した。
遺産相続で相談した税理士から「年金部分が源泉徴収されている。おかしい」と指摘を受けたのは03年7月。初回受給の230万円から22万800円が引かれていた。一時金には所得税がかからず、かえって疑問は深まった。
納税額の訂正を求めても「課税実務」を盾に、税務署は応じない。悩んだ末に提訴を決意。弁護士には依頼せず、税理士の支援を受けながら国側の代理人と対峙した。
一審では全面勝訴したが、弁護士を付けた二審では逆転敗訴。納得できずに上告した。
2010/07/06 18:31 【共同通信】 』
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■年金型保険二重課税、最高裁で国側敗訴
(「News i - TBSの動画ニュースサイト」様よりご紹介[動画有り])
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4470389.html
『最近、増えている年金型の生命保険をめぐって注目の判決です。死亡した夫の保険金に相続税と所得税の両方が課されるのは違法だとして、長崎市の主婦が国を相手に争っていた裁判で、最高裁は女性の訴えを認める判決を言い渡し、国の敗訴が確定しました。
6日午前、最高裁へと入る長崎市の女性(49)。女性は、2002年に死亡した夫の保険金への課税をめぐって国を相手に争っています。
女性の夫は年金特約付きの生命保険に入っていたため、女性は総額2300万円の保険金を10年間にわたって毎年230万円ずつ分割して受け取る権利を得ました。
国は女性が受け取る予定の2300万円について既に相続税を課していたが、毎年分割して受け取る230万円についても女性の雑所得とみなして所得税を課税したため、女性側は「二重課税にあたる」として取り消しを求めていました。
6日の判決で、最高裁は「既に相続税を課した部分について所得税を課すのは二重課税にあたり違法」との判断を示し、女性の訴えを認め、所得税の課税を取り消すよう国側に命じる判決を言い渡しました。
「全面勝訴ということで、とても良かったと思う」(原告の女性)
「すべて100%こちらの言い分を認めてくれたということで、非の打ちようがない判決文をいただいた」(原告の補佐人 江崎鶴男税理士)
年金形式で保険金を受け取る保険商品は多数あり、今回と同じような保険契約が少なくとも数百万件あるとみられます。また、すでに受給している遺族も数万件にのぼるとみられています。
「従来皆さんがとっていた方向と180度方向が違ってしまうので、(関係者は)みんなびっくりしていると思う。今まで二重に(税金を)払っていたと思われる受給者は返してもらえるということになる」(経済ジャーナリスト 荻原博子さん)
国は今後、課税方式の見直しを迫られることになり、国税庁では「裁判所の判断を謙虚に受け止め、今後とも適正な課税に努めてまいりたい」とコメントしています。(06日16:40)
』
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追記:7月7日
■年金型生命保険課税 実態を把握へ
(「NHKニュース」様 7月7日 4時34分より抜粋ご紹介[動画有り])
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100707/k10015580581000.html
『 ・・・・・ さかのぼって還付されるのは法律で最長5年前までと決められています。これについて、政府税制調査会の専門家委員会の委員を努める青山学院大学の三木義一教授は「裁判所がこれまでの課税のあり方を否定した以上、国は5年間という枠組みにとらわれずに柔軟な姿勢を示すべきだ」と指摘しており、今後、還付の対象期間についても議論になりそうです。』
(追記終わり)
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事件番号 平成20(行ヒ)16
事件名 所得税更正処分取消請求事件
裁判年月日 平成22年07月06日
法廷名 最高裁判所第三小法廷
裁判種別 判決
結果 破棄自判
判例集等巻・号・頁
原審裁判所名 福岡高等裁判所
原審事件番号 平成18(行コ)38
原審裁判年月日 平成19年10月25日
判示事項
裁判要旨
1 相続税法(平成15年法律第8号による改正前のもの)3条1項1号の規定によって相続により取得したものとみなされる生命保険契約の保険金で年金の方法により支払われるもの(年金受給権)のうち有期定期金債権に当たるものにおいて,当該年金受給権に係る年金の各支給額のうち被相続人死亡時の現在価値に相当する金額として相続税法24条1項1号所定の当該年金受給権の評価額に含まれる部分は,相続税の課税対象となる経済的価値と同一のものとして,所得税法(平成22年法律第6号による改正前のもの)9条1項15号の規定により所得税の課税対象とならない
2 所得税法(平成18年法律第10号による改正前のもの)207条所定の生命保険契約等に基づく年金の支払をする者は,当該年金が同法の定める所得として所得税の課税対象となるか否かにかかわらず,その支払の際,その年金について所得税法208条所定の金額を徴収し,これを所得税として国に納付する義務を負う
参照法条
全文 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20100706114147.pdf
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(ご参考)
■「所得税更正処分取消請求上告事件」について、国側の逆転敗訴が確定しました。
(「江崎鶴男税理士事務所」様HPよりご紹介)
http://www.kaikei-home.com/ezaki/
『 平成22年7月6日
「所得税更正処分取消請求上告事件」について、国側の逆転敗訴が確定しました。
みなさまご支援有り難うございました。 』
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☆今日の一言☆
久しぶりに・・・目が覚めるようなスゴイ判決ですね。。。
長年,税理士さんを「信じて」二人三脚で歩んで来られた事に,心より「敬意」を表します<(_ _)>
なお還付対象になる方は,数百万人とも・・・国側は大変です。。。
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還付時効は5年といわれていますが・・・?
今まで国が申告によるとはいえ,強制的に徴収したことに違い在りません。
となると・・・これは国側の「不当利得」になり,時効は10年になるのでは??
さらに,二重課税をしてはならない事に対して徴収していたのですから,「不法行為」で時効20年になると思うのですが???
対国の場合では違うのかな?
いやいや・・・えん罪事件の例もあるし。。。
また調べてみよう・・・。
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追記2 :7月7日
■二重課税の所得税還付へ 財務相、最高裁判決で
(「47NEWS」様よりご紹介)http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010070701000602.html
『 野田佳彦財務相は7日、年金形式で受け取る生命保険金に対する二重課税を認定した6日の最高裁判決を受け、同種の保険商品で取りすぎた所得税を遺族らに還付する方針を表明した。現行制度では還付の対象外となる過去5年を超す分についても、法改正などでの救済を検討する。
年金形式で遺族が保険金を受け取る商品は、今回の裁判で争われた「収入保障保険」と呼ばれる商品以外にもある。これら商品に対しても所得税を還付するかどうかについて、財務相は「政府税制調査会の中で議論し、来年度の税制改正で対応することも視野に入れたい」と述べた。
2010/07/07 16:51 【共同通信】 』
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追記3 :7月8日
個人年金保険や学資保険も今後範囲に入ってくるかもしれないようです??
■「二重課税」分の還付表明
(「ワールドビジネスサテライト[WBS]」様 7月7日より [動画有り])
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/news/n2_31.html
(追記3まで終わり)
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それにしても,今回と同じようなケースに気がついた税理士さんも居たと思いますが・・・?
ただ,今回の原告女性の「一念」が違っていたかと思います。。。
決して大きな金額ではありませんが,「大切な人を亡くしてもらうお金。1円だって無駄にしたくない」との気持ちで「おかしいことは,おかしい」と最高裁まで戦われた・・・。
「勇気」ある原告女性には,本当に心より敬意を表します<(_ _)>
結果これで多くの方に「道」を開いた事になりました。。。
これを民主党政権がどう判断するか・・・参議院選挙前でもあるので注目です!
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同じように,過払い金の裁判でも「1円だって無駄にしたくない」という想いで闘っている方は少なくありません。。。
それにしても・・・久しぶりに「女性」の快挙を見ました!
(今夜はこれで失礼します)
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