カテゴリー「■平成21年3月3日最高裁判決(消滅時効は取引終了時)」の記事

2009.03.06

■3・3最高裁判決の続報(「プロミス逆転敗訴!」)の解説2「1・2審の概要」・・・(「ばてん(馬殿)司法書士事務所」様ブログより)+追記(原審のPDF)

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(3月6日の 1/2)

こんにちは。

今日は,最高裁から「広島高裁松江支部(プロミス)」の上告審の判決があります。

いよいよ第3弾!の判決になります!

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それに先だって先日の3・3最高裁判決について,ばてん(馬殿)司法書士事務所様から「経緯」について教えて頂きました。

慎んでご紹介させていただきます<(_ _)>

なお同時に,「レタスカード」関係(TLC株式会社への開示請求についての回答がありました。)情報も頂きました。昨日分の追記にさせていただきました<(_ _)>

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平成21年3月3日最高裁判決の衝撃!!

(「ばてん(馬殿)司法書士事務所」様ブログ 3月5日付よりご紹介)http://blogs.yahoo.co.jp/teijibb1217/archive/2009/03/05

平成21年3月3日最高裁判決の衝撃!!
平成21年3月3日最高裁第3小法廷判決の解説
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090303140752.pdf

本件は、第一審である岐阜地方裁判所平成19年(ワ)第11号事件において始まった。この裁判は本人訴訟でプロミスを相手に戦ったが、完敗であった。訴訟提起方法も取引履歴か開示されていないにも関わらず当初残高をプロミスが提示してきた残高金250,000円とする計算方法をもって計算し途中の分断並びに消滅時効が認められ残債務が545,826円も残ると判断された。

 第2審は弁護士瀧康暢先生、同 鈴木含美先生、同 小出智加先生が訴訟代理人として控訴審を提起したものである。重要論点は以下の通りである。

1. 昭和57年1月18日以前から控訴人(原告)と被控訴人(プロミス)とは、基本契約に基づく継続的金銭消費貸借取引が継続していた。その基本契約には、自動更新条項が含まれていた。
2. 控訴人(原告)は、プロミスから貸与されたカードをほぼ全ての期間を通じて使用して継続的金銭消費貸借取引を継続していた。
3. 昭和57年1月18日以前からの取引は平成7年12月10日に一旦完済し取引が一旦停止した。
4. 第一取引により一旦完済した取引が約3年3ヶ月後の平成11年3月26日に再開した。その第一取引にかかる過払い金が、平成11年3月26日に再開した第二取引にかかる貸付金に充当できる。と判断した。
5. 第二取引開始にあたり第一取引と異なる会員番号が付されていた。
6. 第2取引開始にあたりプロミスの与信調査は、本人確認資料の提示のみに終わり、収入資料の提出などは、求められなかった。与信調査は緩やかであった。
7. 第一取引と第二取引において当事者間に、1.自動更新条項の存在2.カードの継続的使用3.プロミスからの貸付の勧誘4.与信調査の状況などから、特段の事情がない限りは当事者間に充当の合意が存在すると判断した。
8. 残高無視計算(当初0円計算)の計算方法については、控訴人(原告)は、被控訴人(プロミス)から提示された取引履歴に基づいて過払い金の算定を行えばよく、当初残高の立証責任は被控訴人(プロミス)にあるとして残高無視計算(当初0円計算)を認める判断をした。(名古屋高裁の判断であり、今回の最高裁の判断ではない)
9. 第2審は、消滅時効の起算日を個別進行説を採用し、訴訟提起から10年以前の過払い金の時効消滅を認めた。(この点が今回の平成21年3月3日判決の最大の争点となった)
10. まとめ
平成21年3月3日最高裁第3小法廷は、上記9の消滅時効の個別進行説は採用せず。最終取引日である最終取引日説を採用した。
今回の最高裁判所の判断は、消費者金融(プロミス・アコム・アイフル・武富士 等)と消費者が、基本契約を交わしその中で自動更新条項や、与信調査の内容、同一のカードの使用、貸付の勧誘の状況等が存在した場合には、一旦完済したとしても当然には基本契約は終了せず、当事者間には、前取引において発生した過払い金は、次回取引において貸付けられる貸付金に充当できる当事者間の合意が存在すると判断した。
平成21年3月3日最高裁第3小法廷により、現在の消費者金融のかなりの部分が、過払い充当合意の意思が推定されることとなる。
また従来は、完済から3年以上の期間経過後に新たに借入があった場合には「取引分断による消滅時効の援用」の主張により消費者金融からの大幅減額を余儀なくされていた。しかし本件判決で一旦完済しその後取引が再開した場合の過払い金の返還請求も条件にもよるが、かなりの部分が認められる事となる。

この判決は本当に凄い衝撃ですね!!
ご担当の弁護士瀧康暢先生、同 鈴木含美先生、同 小出智加先生にお会いできる事があれば、後光がさして見えることでしょう。感謝、感謝です。

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(ご参考1)

なお「ばてん(馬殿)司法書士事務所」様では,「レタスカード」関係も含めて無料相談をされています(初回相談時間は原則として2時間)http://blogs.yahoo.co.jp/teijibb1217/18314467.html

土日祝日も無料相談
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滋賀第336号 簡裁代理権認定第643028号 』

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☆今日の一言☆ (1/2)

3・3最高裁判決の詳細がとても分かりやすく書かれていて助かります。「ばてん(馬殿)司法書士事務所」様ありがとうございます<(_ _)> 

本人訴訟だったのですね・・・。

第一審では「消滅時効が認められ残債務が545,826円も残ると判断された。」とあります。

今回の最高裁判決では,文字通りの「逆転勝利」になったばかりでなく,多くの方への励ましになりました。

今日の判決で3つ揃いますね!

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それでは後ほど・・・。

(取り敢えず失礼します)

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(ご参考2)

追記:6月14日

■最判21.3.3判決の原審判決 (「兵庫県弁護士会」様HPよりご紹介)

 (現在は新着★判例ホルダーにあります)http://cid-a49b1868ee678858.skydrive.live.com/self.aspx/%e6%96%b0%e7%9d%80%e2%98%85%e5%88%a4%e4%be%8b/071227%e3%80%80%e5%90%8d%e5%8f%a4%e5%b1%8b%e9%ab%98%e8%a3%81%e3%80%80%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%9f%e3%82%b9%e3%80%80%e9%81%8e%e6%89%95%e9%87%91%e3%81%ae%e6%99%82%e5%8a%b9%e3%81%ae%e5%a7%8b%e6%9c%9f.pdf

●071227 名古屋高裁 プロミス 過払金返還請求控訴事件
●名古屋高裁平成20年(ネ)第630号
●裁判官 岡久幸治 加島滋人 鳥居俊一(第4部)
●代理人瀧康暢
●原審岐阜地裁平成19年(ワ)第11号(平成19年6月25日判決)
●最高裁平成21年3月3日判決の原審判決。

 
残高無視計算(冒頭ゼロ計算)を採用。3年3ヶ月の空白期間、第1取引の借入れが岐阜支店、第2取引が各務ヶ原支店であり、契約番号も異なっているが、一連計算を認めた。しかし、過払金返還請求権の消滅時効については、個別進行説の立場をとり、10年前に発生した過払金は時効消滅すると判示した。なお、最判平21.3.3は、本判決に添付された引直計算書を採用して、破棄自判していることから、最高裁判所として、残高無視計算、および過払金の利息は過払金の発生と同時に生じることを容認したものと評価できる。

原審では、空白期間がわずかに14日間であるが、取引の分断を認め、第1取引に係る過払金の時効消滅を認めた。控訴審では共通の会員番号、共通の「お客様情報記録カード」で管理され、第2取引開始時に基本契約が締結されていないことから、1個の基本契約に基づく一体の取引とし、連続計算を認めた。また、遅くとも昭和48年12月から取引が始まっていることから、引直計算書の冒頭である昭和56年9月21日の時点での貸付残高をゼロ円とした(冒頭ゼロスタート)。過払金の時効消滅も否定。』

PDF→ 上記リンク先よりご覧下さい。

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2009.03.04

■3・3最高裁判決の続報(「プロミス逆転敗訴!」)の解説と今後の影響・・・弁護士HP・ブログ等より

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こんばんは。

いつもご紹介させて頂いております弁護士様ブログ・HPより,慎んでご紹介させていただきます<(_ _)>

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3月3日最高裁第3小法廷判決 契約が終了しない限り時効は進行しない

(「馬上行動 山田冬樹の部屋」様ブログ 3月3日付より抜粋ご紹介)http://d.hatena.ne.jp/yamada-home/20090303

本日平成21年3月3日付最高裁第3小法廷判決 取引終了するまで時効の開始を認めず
 こうした契約がある状態で、昭和54年1月18日から平成18年10月3日まで27年間、プロミスから借入と返済を繰り返してきた人が、プロミスを相手に27年間の取引で発生した過払い金約630万円の支払いを求めて起こした訴訟があった。

 この事件の第2審判決である、名古屋高裁平成15年12月27日判決は「過払金返還請求権は,個々の弁済により過払金が生じる都度発生し,かつ,発生と同時に行使することができるから,その消滅時効は,個々の弁済の時点から進行するというべきである。」として、27年間の取引のうち過去ほぼ10年分の取引から発生する過払い金しか認めなかったのである。

 しかし、本日13時30分、最高裁判所第3小法廷は、27年間の取引期間全部について、そこから発生する過払い金の全額を支払うよう、プロミスに命ずる判決を言い渡した。平成21年1月22日付最高裁第1小法廷判決と、同じ結論だ。』

『第三小法廷の判決の理由
 09年3月3日付最高裁第三小法廷判決をいささか意訳すれば、次の通りとなる。

リボルビング払いの場合、毎月の支払は当時ある借入全体に対してなされるものだから、かかる合意は「過払い金が発生した後に新たな借入があれば、その借入金の支払いに充てられる」という合意を当然に含んでいる。
だとすれば、いったん過払い金が発生しても、取引が継続している限りは、その後新たな借入金の発生が予想され、その時点で過払い金返還請求することはない。
かかる過払金充当合意が存在する限り=取引が継続している限り=また借りるかもしれないと思ってカードを持ち続けている限り、時効は進行しない。※判決は「過払金充当合意は法律上の障害としえ過払い金請求健の行使を妨げる」とする。 』

『取引に中断ある場合、一連計算か連続計算か
 「一個の基本契約のもとなされた取引において中断(利用しない時期)がある場合、取引が終了しない限り全期間を通じて一連で計算するか、中断があればそれぞれ別個の取引すべきか、」という争いがあり、貸し手側と借り手側で大きく争われていた。一連計算説にたてば、取引継続中は時効にならず、個別計算説にたてば取引中断後10年で中断前の取引から生じた過払い金の返還を求めることはできないことになる。09年1月22日付第1小法廷判決は一連計算説に立つものだが、3月3日の第3小法廷判決は、この点が明らかでない。最高裁判決の場合、法的思考の過程は示されるが、紛争の内容について触れられないため、いかなる事案なのか不明なのだが、おそらく27年間完済することなく取引が継続されていたのではないか。

 ただ、法的思考としては、1月22日判決と同様のものと考えられる。そのため、個別計算説をとった第2小法廷判決が引用されていないのではないか。』

『3月6日に第2小法廷判決
 09年3月6日に最高裁判所第二小法廷が、最後の10年間に限り過払い金返金を認めた広島高裁松江支部判決に対する上告審判決を言い渡す。第二小法廷は、個別計算説に基づき「第1の基本契約に基づく取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当する旨の合意が存在するなど特段の事情がない限り,第1の基本契約に基づく取引に係る過払金は,第2の基本契約に基づく取引に係る債務には充当されない」という08年1月18日付判決を出したところである。この解釈が変更されるのか注目したい。

(詳細は上記リンク先にあります。是非ご覧下さい<(_ _)>)

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3・3最高裁判決を受けて,プロミス他の主な消費者会社の対応等が書かれていますのでご紹介させていただきます。

■「庶民の弁護士 伊東良徳のサイト」様HP 3月3日更新分より抜粋ご紹介http://www.shomin-law.com/index.html

借金:プロミスの場合更新(2009.3.3):最高裁第3小法廷3月3日判決を反映
借金:アイフルの場合更新(2009.3.3):上に同じ
借金:CFJ(ディックファイナンス・アイク・ユニマットレディス)の場合更新(2009.3.3):上に同じ

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プロミスの裁判対応

『(省略)

プロミスは、取引継続中でも過払い金の消滅時効は個別に進行し、過払い発生から10年経過するとその過払い金が消滅するという高裁レベルの判決を、立て続けに取っていました。名古屋高裁2007年12月27日判決と広島高裁松江支部2008年4月16日判決です。「CFJ(ディックファイナンス・アイク・ユニマットレディス)の場合」でも指摘したように、そういう高裁判決もあります(別に最近そうなってきたわけではなく、昔から時々そういう判決は出ています)が、大多数の裁判所は、取引継続中は消滅時効は進行しないとの立場を取っています。その意味で、大勢に影響はなかった(少なくとも全体の状況を知っている弁護士にとっては特に影響なかった)のですが、「驕れる者も久しからず」でしょうか、プロミスが取ったこの2つの高裁判決に対して、最高裁が過払い債権者側の上告受理申立を立て続けに受理して、2009年1月19日と20日に口頭弁論が開かれました。ということは、この2つの高裁判決は破棄されることになるわけです(そのあたりの説明は、「まだ最高裁がある?(民事編)」をみてください)。その判決の言い渡しは2009年3月3日と3月6日に指定されました。この論点については、プロミスの事件に先立ち2009年1月22日に第1小法廷が東日本信販の東京高裁の事件(これは過払い債権者勝訴の判決)で大方の予想通りに、一定限度額内で繰り返し貸し借りを継続する基本契約に基づく取引の継続中は過払い金返還請求権の消滅時効は進行しない、過払い金返還請求権の消滅時効は特段の事情がない限り取引が終了した時点から進行すると判断して決着を付けました。その後、2009年3月3日に第3小法廷がプロミスの名古屋高裁の事件で、第1小法廷の1月22日の判決と同じ内容の判決を言い渡しました(田原睦夫裁判官だけが反対意見を書いていますが)。この後2009年3月6日に第2小法廷もプロミスの広島高裁松江支部の事件で同じ内容の判決をすることがほぼ確実で、2009年3月6日までに3つの小法廷で一致した確立された最高裁判例となる見込みです。

(その他,「アイフル」と「CFJ」の場合も是非ご覧下さい<(_ _)>)

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☆今日の一言☆

「プロミス」は消費者金融の雄です。その「プロミス」が逆転敗訴したことは,今までの最高裁判決よりも影響力が甚大と思われます。

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今日は昨日の反動やアクシデントがあって,バタバタしておりました。

他の情報も書きたいのですが,今夜はこれまでにさせて頂きます<(_ _)>

(それでは,また明日に!)

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2009.03.03

■最高裁(時効の起算点・プロミス)第2弾!・・・ 3月3日最高裁判決(追記・更新)+(原審の所在PDF)

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(3月3日の 2/2)

こんばんは。

記事ニュースより,最高裁HPに先に出ましたのでご紹介させて頂きます。

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■最高裁3・3判決(最高裁HPより)http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37362&hanreiKbn=01

事件番号平成20(受)543
事件名不当利得返還請求事件
裁判年月日平成21年03月03日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別判決
結果破棄自判
判例集巻・号・頁

原審裁判所名名古屋高等裁判所   
原審事件番号平成19(ネ)630
原審裁判年月日平成19年12月27日

判示事項
裁判要旨

継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が,利息制限法

所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後

に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合

には,上記取引により生じた過払金返還請求権の消滅時効は,

特段の事情がない限り,上記取引が終了した時から進行する

参照法条
全文全文 http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090303140752.pdf       

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(ご参考1)

上記PDFをTEXTにて抜粋ご紹介

(被上告人は「プロミス」になります)

『 主文

1 原判決を次のとおり変更する。
(1) 第1審判決を取り消す。
(2) 被上告人は,上告人に対し,635万8798円及びうち633万2772円に対する平成18年10月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

2 訴訟の総費用は被上告人の負担とする。

理由

上告代理人瀧康暢ほかの上告受理申立て理由第2章及び第3章について

1 本件は,上告人が,被上告人に対し,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引に係る弁済金のうち利息制限法(平成18年法律第115号による改正前のもの)1条1項所定の利息の制限額を超えて利息として支払われた部分を元本に充当すると,過払金が発生していると主張して,不当利得返還請求権に基づき,その支払を求める事案である。被上告人は,上記不当利得返還請求権の一部については,過払金の発生時から10年が経過し,消滅時効が完成したと主張してこれを争っている。

2 原審の適法に確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。
(1) 被上告人は,貸金業の規制等に関する法律(平成18年法律第115号により法律の題名が貸金業法と改められた。)3条所定の登録を受けた貸金業者である。
(2) 上告人は,遅くとも昭和54年1月18日までに,被上告人との間で,継続的に金銭の借入れとその弁済が繰り返される金銭消費貸借に係る基本契約(以下「本件基本契約」という。)を締結した。
上告人と被上告人は,同日から平成18年10月3日までの間,本件基本契約に基づき,第1審判決別紙1「原告主張書面」添付の計算書の「借入額」欄及び「返済額」欄記載のとおり,継続的な金銭消費貸借取引を行った(以下「本件取引」という。)。
(3) 本件取引における弁済は,各貸付けごとに個別的な対応関係をもって行われることが予定されているものではなく,本件基本契約に基づく借入金の全体に対して行われるものであり,本件基本契約は,過払金が発生した場合にはこれをその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意(以下「過払金充当合意」という。)を含むものであった。
過払金充当合意に基づき,本件取引により発生した過払金を新たな借入金債務に充当した結果は,原判決別紙「利息制限法に基づく法定金利計算書」記載のとおりであり,最終取引日である平成18年10月3日における過払金は633万2772円,同日までに発生した民法704条所定の利息は2万6026円である。
(4) 上告人は,平成19年1月11日に本件訴えを提起した。被上告人は,平成9年1月10日以前の弁済によって発生した過払金に係る不当利得返還請求権については,過払金の発生時から10年が経過し,消滅時効が完成していると主張して,これを援用した。

3 原審は,前記事実関係の下において,要旨次のとおり判断して,上告人の請求を375万9260円及びうち374万4000円に対する平成18年10月4日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で認容すべきものとした。

過払金に係る不当利得返還請求権(以下「過払金返還請求権」という。)は,個々の弁済により過払金が生じる都度発生し,かつ,発生と同時に行使することができるから,その消滅時効は,個々の弁済の時点から進行するというべきである。
上告人は,過払金返還請求権は,取引が終了した時点(本件においては平成18年10月3日)に確定し,その権利行使が可能になるから,上記時点を消滅時効の起算点と解すべきであると主張するが,借主は取引が終了するまで既発生の過払金の返還を請求できないわけではないから,上記主張は失当である。
したがって,平成9年1月10日以前の弁済により発生した過払金返還請求権について,発生から10年の経過により消滅時効が完成した。同日以降の弁済により発生した過払金は,原判決別紙「利息制限法に基づく法定金利計算書」記載のとおり374万4000円であり,これに対する平成18年10月3日までに発生した民法704条所定の利息は1万5260円である。

4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
前記のような過払金充当合意においては,新たな借入金債務の発生が見込まれる限り,過払金は同債務に充当されることになるのであって,借主が過払金返還請求権を行使することは通常想定されていないものというべきである。したがって,一般に,過払金充当合意には,借主は基本契約に基づく新たな借入金債務の発生が見込まれなくなった時点,すなわち,基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点で過払金が存在していればその返還請求権を行使することとし,それまでは過払金が発生してもその都度その返還を請求することはせず,これをそのままその後に発生する新たな借入金債務への充当の用に供するという趣旨が含まれているものと解するのが相当である。そうすると,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引継続中は過払金充当合意が法律上の障害となるというべきであり,過払金返還請求権の行使を妨げるものと解するのが相当である。

 
なお,借主は,基本契約に基づく借入れを継続する義務を負うものではないので,一方的に基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引を終了させ,その時点において存在する過払金を請求することができるが,それをもって過払金発生時からその返還請求権の消滅時効が進行すると解することは,借主に対し,過払金が発生すればその返還請求権の消滅時効期間経過前に貸主との間の継続的な金銭消費貸借取引を終了させることを求めるに等しく,過払金充当合意を含む基本契約の趣旨に反することとなるから相当でない(最高裁平成17年(受)第844号同19年4月24日第三小法廷判決・民集61巻3号1073頁,最高裁平成17年(受)第1519号同19年6月7日第一小法廷判決・裁判集民事224号479頁参照)。

したがって,過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,同取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は,過払金返還請求権の行使について上記内容と異なる合意が存在するなど特段の事情がない限り,同取引が終了した時点から進行するものと解するのが相当である(最高裁平成20年(受)第468号同21年1月22日第一小法廷判決・裁判所時報1476号2頁参照)。

5 これを本件についてみるに,前記事実関係によれば,本件基本契約は過払金充当合意を含むものであり,本件において前記特段の事情があったことはうかがわれないから,本件取引により発生した過払金返還請求権の消滅時効は本件取引が終了した時点から進行するというべきである。そして,前記事実関係によれば,本件取引は平成18年10月3日まで行われていたというのであるから,上記消滅時効の期間が経過する前に本件訴えが提起されたことは明らかであり,上記消滅時効は完成していない。これと異なる原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。論旨は上記の趣旨をいうものとして理由があり,原判決中上告人敗訴部分は破棄を免れない。以上説示したところによれば,上告人の請求は理由があるから,原判決を主文のとおり変更することとする。
よって,裁判官田原睦夫の反対意見があるほか,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。

裁判官田原睦夫の反対意見は,次のとおりである。

私は,多数意見と異なり,過払金返還請求権の消滅時効は,その発生時から進行すると解すべきものであると考える。したがって,それと同旨の見解に立って,平成9年1月10日以前の弁済により発生した過払金返還請求権については,発生から10年の経過により消滅時効が完成したとして,その部分について上告人の請求を棄却した原判決に違法な点はなく,本件上告は,棄却されるべきである。以下,
その理由を敷衍する。

(省略)

(裁判長裁判官 那須弘平  裁判官 藤田宙靖  裁判官 堀籠幸男  裁判官 田原睦夫  裁判官 近藤崇晴) 』

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(ご参考2)

「裁判官 田原睦夫」(Wikipediaより)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%8E%9F%E7%9D%A6%E5%A4%AB#.E7.95.A5.E6.AD.B4

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☆今日の一言☆ (2/2)

急用が出来て,追記が遅くなりました。

今回の最高裁第3小法廷の判決は,名古屋高裁(プロミス側勝訴)からの逆転判決になりました。(一人反対の裁判官がいましたが・・・)

1・22を踏まえての判決は,もう一つの3月6日の判決にも反映されると思われます。

この判決により,今後さらに多大な影響が「消費者金融会社」に出ると思われます。

また弁護士・司法書士様のコメントが出ると思われますので,続報にてご紹介させて頂きます(^^;)

(取り急ぎここまで)

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追記:8月26日

原審の名古屋高裁のPDF所在が分かりました。

遅くなりましたが慎んでご紹介させていただきます<(_ _)>

■名古屋消費者問題研究会(会員の判決→消滅時効の起算点)

HP→ http://www.kabarai.net/judgement/prescription.html

PDF→ http://www.kabarai.net/judgement/dl/191227.pdf

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H210303 -----

その他「名古屋消費者問題研究会」様HPをご覧下さい。

沢山有用な「判例」や「訴状」等のひな形・利息制限法への引き直しソフトがあります。

新しくリニューアルしていただき,感謝です<(_ _)>

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