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いよいよ梅雨に入りました。
各地で恵みの雨を待ち望んでいた所もあるようです。
今年の梅雨は穏やかに降ってほしいもですね。
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さて,コメント欄へ貴重な情報のご投稿をいただきました。
関連事項も含めて慎んでご紹介させていただきます<(_ _)>
■過払い金分を不法行為による損害と認定
(6月10日付「通行人様」よりのコメント記事を抜粋ご紹介)http://yuuki.air-nifty.com/go/2009/06/post-20ca.html#comment-37273838
『
高松高裁で,不法行為の控訴審判決が出たようです。
一審を支持し,不法行為での損害賠償を認容した内容のようです。
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080318 松山地裁西条支部 架空請求
●松山地方裁判所西条支部平成19年(ワ)第160号不当利得返還請求事件(平成20年3月18日判決)
●裁判官 中嶋功
●代理人 菅
上記が原審のようです。すみません。
控訴審については,まだ収録されていない模様です。
愛媛新聞には掲載されていたようです。
6/6日付け。
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高松高裁控訴審判決で、高松高裁は5日までに、損害を認定し約85万の支払いを命じた一審松山地裁西条支部の判決を支持。
新たに慰謝料や弁護士費用約10万5千円の支払いを命じた。
原告代理人によると、高裁で過払い金分を不法行為による損害と認定したのは全国初という。
』
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(追記)11月25日
下記リンク先にてPDFが,現在UPされています。
■判例が追加されていました(11月21日付)
兵庫県弁護士会 消費者問題判例検索システム 新着★判例PDFフォルダー(11月21日更新分よりご紹介)
http://cid-a49b1868ee678858.skydrive.live.com/self.aspx/%e6%96%b0%e7%9d%80%e2%98%85%e5%88%a4%e4%be%8b/090604%20%e9%ab%98%e6%9d%be%e9%ab%98%e8%a3%81%20%e3%82%b5%e3%83%b3%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%95%20%e6%9e%b6%e7%a9%ba%e8%ab%8b%e6%b1%82.pdf
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(ご参考1)
下記が原審になります。なお「被告」=「サンライフ」です。
●080318 松山地裁西条支部 架空請求
●松山地方裁判所西条支部平成19年(ワ)第160号不当利得返還請求事件(平成20年3月18日判決)
●裁判官 中嶋功
●代理人 菅
(「兵庫県弁護士会」様HPよりご紹介)http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/hanreihtml/080318.html
『◎ 不法行為の成立 被告は,原告に対し,法律上も支払義務のない支払いについて,受領する権限もないことを認識しながら,充当計算を行ったり,過払いの告知をしないまま約定利息を請求し続け,元本消滅後もあたかも残元本が存在していることを装って支払いを請求して,それを受領していたものと認められることから,元本が消滅するまでは,利息制限法所定の利率を超える支払分(ただし,当然に残元本に充当されると考えられるため,充当によって元本が全て消滅するまでは,不法行為上の現実の損害発生しているとはいえない。),元本消滅後は,その全部について架空請求として不法行為が成立するといえる。
◎ 不法行為による損害 被告の不法行為による相当因果関係のある原告に生じた損害は,被告の不法行為がなければ,原告が当然行使していたと求められる悪意の受益者による不当利得返還請求権(民法704条)に基づき過払金に対する年5分の割合による利息を付した上元本への充当計算を行い,返還請求が可能であった額と認めるのが相当である。 |
→ 右クリックで判決PDFの表示か保存を選択 |
』
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上記PDF判決文より抜粋・加色にてご紹介
http://www.hyogoben.or.jp/hanrei/pdf/080318.pdf
『第3 当裁判所の判断
1 不法行為について
(1)前記争いのない事実等,証拠(甲2)及び弁論の全趣旨によれば,被告は,利息制限法所定の利率を超える高金利で金銭の貸付等を行うことを主な業とする貸金業者であり,利息制限法,貸金業法あるいはそれらに関連する最高裁判所の裁判例等の知識を有し,貸金業の実務に精通していたものと認められるところ,本件取引においては,貸金業法43条のみなし弁済の適用がないと,約定利息の合意をしていても,原告には,利息制限法所定の利率を超える利息の支払義務がなく,仮に支払っていたとしても,次々に過払金が発生して元本に充当され,元本が消滅した後には,全く債務が存在しない状態で原告が支払を継続し,被告が利得していくという事実について,被告は十分認識していたものと認められる。
この点,被告は,貸金業法43条のみなし弁済が成立するとの認識の下で,原告から弁済を受けていたもので,原告の債務が法律上消滅しているとの認識や過払金を受領しているとの認識などなかった旨主張している。
しかしながら,被告は,本件訴訟においても,みなし弁済が成立する具体的な要件(貸金業法上の支払の任意性や17条及び18条の書面交付の要件等)を主張したり,それを裏付ける立証を全くしておらず,被告に対する他の多くの訴訟においても同様である(当裁判所に顕著な事実)ことからすると,本件取引において,被告がみなし弁済が成立するとの認識の下で弁済を受けていたとは考え難く,むしろ,みなし弁済の要件も充たさず,利息制限法所定の利率を超える支払を原告に継続的に要求し,それを受領していたものと推認される。
そうすると,被告は,原告に対し,法律上も支払義務のない支払について,受額する権限もないことを認識しながら,充当計算を行ったり,過払の告知をしないまま約定利息を請求し続け,元本消滅後もあたかも残元本が存在していることを装って支払を請求して,それを受領していたものと認められることから,元本が消滅するまでは,利息制限法所定の利率を超える支払分について(ただし,当然に残存元本に充当されると考えられるため,充当によって元本が全て消滅するまでは,不法行為上の現実の損害が発生しているとはいえない。),元本消滅後は,その全部について架空請求として不法行為が成立するといえる。
この点,被告は,本件取引において,不法行為を構成するような支払の強制(強迫,桐喝,威迫,困惑,欺岡による請求等)があったものではなく,原告は,利息制限法所定の利率を超える約定利率を支払うことを被告と合意し,任意に約定利息を支払ってきたもので,仮にみなし弁済が適用されなかったとしても,過払金を受領したこと自体が原告の権利又は法律上保護される利益を侵害して不法行為が成立するということはない旨主張する。
しかしながら,利息制限法は,強行規定であるので,約定利息を合意しても制限超過利息が無効であることは明らかであり,このようなことを貸金業者である被告が認識していなかったとはいえず,他方,法律の素人である原告については,利息制限法,貸金業法及び充当計算をする裁判例等を認識していたとは考えられず(このような知識がないことをも被告は十分推測していたと推認される。),合意された約定利息が法律上も有効であると誤信したまま支払を継続してきたものと推認される。
以上のような事実関係を前提とし,期限の利益喪失約款が付されて(弁論の全趣旨から認められる。)約定利息を支払うことが事実上強制されていた下で,原告が支払義務のない支払を本件取引において約9年間(充当計算により元本債務が全て消滅してからは約2年間)もの長期間強いられていたこと,経済的な弱者を保護するための強行法規である利息制限法の違反が問題となっていること,以上のような事実の下でも被告が約定利息を継続的に請求し続けてそれを受領していたのは,むしろ期限の利益を喪失して一括請求や強制執行を畏れる原告の困窮状態や知識の浅薄に乗じていた側面も否定できないことなどの事情を考慮すると,本件取引における被告の行為は,不法行為上の違法性を有するといわざるを得ない。
したがって,本件では,支払の強制(強迫,桐喝,威迫,困惑,欺岡による請求等)がなく,原告の権利や利益を侵害するものではないという前記被告の主張は採用できない。
また,本件取引における被告の架空請求は,本件取引の当初から利息制限法所定の利率を超える約定利息を合意し,本件取引の終了まで継続的に被告の同一の意識の下に行われていたと認められるため,本件取引自体が1個の不法行為と認めるのが相当である。
(2)不法行為上の損害について
前記(1)の認定事実に照らすと,被告は,本件取引において利息制限法所定の利率を超える金員の支払について,継続的に架空請求を行っていたものと認められ,前記架空請求がなければ,原告が支払義務のない金員を支払うとは考えられず,仮に支払ったとしても,原告の合理的意思から,悪意の受益者(本件取引で味前記(1)の認定事実から,不当利得の構成においても,被告は,悪意の受益者と推認される。)による不当利得返還請求権(民法704条)に基づき,過払金に対する年5分の割合による利息を附した上元本への充当計算を行い,当然に返還請求を行ったものと認められる。そして,原告が前記のような支払の拒絶や充当計算及び返還請求を行わなかったのは,被告が継続的に正当な請求であると装って各請求を行い,原告が誤信して支払っていたことことによるもので,被告の不法行為により,原告が前記のような支払の拒絶や充当計算及び返還請求を行う機会自体が奪われたことが原因であると認められる。
そうすると,被告の不法行為による相当因果関係のある原告に生じた損害は,被告の不法行為がなければ,原告が当然行使していたと認められる悪意の受益者による不当利得返還請求権(民法704条)に基づき過払金に対する年5分の割合による利息を附した上元本への充当計算を行い,返還請求が可能であった額と認めるのが相当である。
そうすると,その損害額は,別紙計算書の計算による原告の請求額に相当する額と認められる。』
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080318 松山地裁西条支部 架空請求・・・どこかで見た?と思っていましたら,下記のブログ内で以前見ていました(^^;)
(ご参考2)
「40代から始める管理職の過払い請求 ほぼ実況中継!」様ブログよりhttp://kuripunchan.blog50.fc2.com/
「セゾン9 訴状全文」
http://kuripunchan.blog50.fc2.com/blog-entry-191.html
「武富士43 第1回控訴審 和解しちゃった」http://kuripunchan.blog50.fc2.com/blog-entry-197.html
『地裁勝訴(不法行為)判決は、そのまま残ります。』とのことです。
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それにしても「本人訴訟」で「不法行為」を武富士相手に「高裁」まで闘って勝ち取るのですから・・・今後に続く方にとってはまさしく「鏡」です!
現在私が知るところでは,新時代を開く「最強」の本人訴訟型の使い手です!大変勉強になりますので,是非ご参照してみてください!
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☆今日の一言☆
原審の松山地裁西条支部は,85万1525円を認めていました。
今回は,さらに「慰謝料や弁護士費用約10万5千円」の支払いを命じられています。
今回の高松高裁の判決は「不当利得」での裁判でも「不法行為」を認定された事になります。
これは,相当インパクトが強い判決と思われます。
消滅時効10年の壁で諦めていた方は,「不法行為」による「損害賠償」なら時効20年を主張できるからです!
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後日,高松高裁の記事が見つかりましたら,追記させていただきます。
それにしても,沢山の情報があり忘れているものですね(^^;)
今回のように貴重な情報をいただけると,思い出す事も出来てとても助かります。
「通行人様」ありがとうございました<(_ _)>
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「過払い金返還」は確実に「損害賠償=不法行為」へシフトしてきているようです!
(今夜はこれで失礼します)
上記が原審のようです。すみません。
控訴審については,まだ収録されていない模様です。
愛媛新聞には掲載されていたようです。
6/6日付け。
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